アレという頑丈な踏み台を活用して横綱としての初優勝をはたした鶴竜と踏み台本体に合計6000字ほど説教するの巻。
アレの説教の前に別件で3000字ほど説教します!

大相撲九月場所、今場所は僕にとって極めて残念な場所となりました。まず出鼻を挫かれたのが懇意にしているお茶屋。それなりに長い付き合いもあり、八百長事件で国技館が空席だらけの時代にも同じお茶屋で毎東京場所ごとに席を手配してきたというのに「残念ながら今場所はチケットをご用意できませんでした」とぴあみたいなことを言ってきたのです。

どこかの会社さんが通しでたくさんのマスを手配されたとのことで、お大尽ではない僕らのスポット観戦は有り体に言って邪魔なのであると。ぐぬぬ。確かにマスは十五日通しで買うのが本来の姿であるとは承知していますが、それにしてもこんなにアッサリと向こうからお断りしてくるとは。席の注文を受けるためのファックスを送ってきたので、それに折り返したら「席ないっす」と言ってくるのですから、意味がわからない。

結局、ぴあで買って行きましたが、人気の日取りは売り切れも多く、平日にコソッと行く格好に。一緒に行ったお仲間には打ち合わせと称して抜け出してきた人もいるので詳細なレポートは避けますが、相撲協会公式ツイッター登録でグッズをもらおうとしたら「LINEのみになりました」と門前払いされたりして連続出鼻挫かれの観戦となりました。まぁ、毎回売り切れていた手ぬぐいをやっと買うことができたので、ヨシとしますが。

さて、本題の説教である鶴竜の件。

十四日目の稀勢の里との取組。右に左に二度変化したさまは、大相撲の魅力を大きく損ねる行為でした。こと「変化」の話になると、「ルールで禁じられてないからいいじゃん」という意見が出てきて話がもつれるのですが、強く言いたい。禁じられていなければ何でもいいのかと。勝てば何でもいいのかと。禁じられていなければ何をやってもいいなら、「武器の使用を禁ず」とルールに書き忘れた競技は鉄砲持ってきていいのかと。勝つところだけが見たいなら、右手と左手でジャンケンでもしててください。

ルールとは「面白さ」を生み出すためのもの。

ルールとは聖域として守り抜くものではなく、面白さをより生み出すように変えていくべきものであり、ルールが絶対なのではない。絶対であるのは「面白さ」です。仮にルールに適合していても、それが面白さを欠く行為ならアウトであり、ルールに背いていてもより面白さを生み出す行為ならそれを認めるようにルールのほうが変わっていくべき。スキージャンプでもかつてはV字飛行が「美しくない飛形である」として飛形点で減点されていた時期がありましたが、ルールが折れてOKとなったのです。「面白さ>>>ルール」の順番を間違えてはならない。

「鶴竜が勝てば何でもいいんだよ派」からすれば、「ルールで禁じられてもいない行為をして何が悪い」「鶴竜が勝ってサイコー!」というところでしょうが、あんなことを横綱がするようになったら大相撲の人気も先細りです。大相撲の魅力の最たるものは何か。僕はそれを「デブデブドーン」と呼んでいますが、常識はずれの大男がチカラとチカラで真っ向ぶつかり合うところでしょう。カーアクションでクルマとクルマが激突するように。解体現場で鉄球が建造物に突撃するように。ドーンと当たる立ち合いにその魅力は集約されているのです。

直径4.55メートルという小さなサイズの土俵も、階級の区分けなき完全無差別級であることも、転ばさなくても場外に出せば勝ちという決まりも、すべては「デブデブドーン」を促進するため。ボクシングとか総合格闘技では、まず最初に距離を取って探り合いから始めるでしょう。選手によってはずっと距離を取ってペチペチとポイントを取りにいきます。それと真逆の価値観で行なわれる武道こそが大相撲。ドーンと行かない相撲は相撲ではないと僕は思います。

しかるに変化というのは、その大相撲の最たる価値を損ねるもの。本当ならルールで禁止したいぐらい。しかし、ルールで禁じれば小さな身体の力士に対してあまりに厳しい。だから、ルール上は穴を残したうえで、しかし推奨はしないという「不文律」によって折り合いをつけてきたのでしょう。それでも小さな身体の力士と言えども、今場所で言えば嘉風のように鋭い踏み込みで身体的不利を跳ね除けるような取り口を見せようと努めているのです。

ちょっと小賢しければ、相手の初撃が届かない後方まで下がって仕切ることも思いつくでしょう。現役時代、舞の海さんがよくやった手です。ただ、それをみんながやったら「デブデブドーン」はなくなってしまう。小さな身体でも相撲が好きだから、大男と大男が真っ向ぶつかりあう夢世界が好きだから、小兵力士も控え目に控え目にどうしてもという日だけ変化を繰り出すのではないでしょうか。

それを横綱が狙って仕掛けるようになったら、おしまいです。

そもそも鶴竜は引き技・変化の多い力士です。それはそれで技能としての見どころはあります。安美錦のように押し引きの技能によって敬意を集める力士はいますし、そういうひとりとして見た場合には鶴竜は一流です。ただ、横綱ともなれば話は別。横綱は大相撲の金看板。みんな横綱の相撲を見にくるのです。理想のデブデブドーンを体現してなお勝つ、それだけの力量があって初めてつとまる仕事。横綱は逃げることは許されない。逃げるほど落ちぶれたら引退、それが横綱という地位です。

十四日目、鶴竜は負けてもまだ自力優勝がある星取りでした。千秋楽結びの一番まで優勝争いに絡んだなら、場所を守る責任は果たしたと言える成績でした。本人的には横綱になってから優勝がまだないことに焦りもあったのでしょうが、まだ封じ手を出す段階ではなかった。二度に渡る変化を仕掛けてまで勝ちに行くというのは、相撲の面白さ、場所の盛り上げを捨てて、ただただ自分の勝利を優先した振る舞いです。「勝てばいい」は下位の力士の発想。最高位たる横綱は勝てば何でもいいわけではない。「横綱相撲」で勝つからこそ横綱なのです。

単純に鶴竜は横綱の器ではなかったということだと僕は思います。横綱になって9場所優勝がないということで悩むのも、横綱たる力量がないからこそ。白鵬不在の場所で、度重ねる変化を仕掛け、ライバルの怪我を利して、3敗の低調な成績で勝つ。とても力量抜群の力士ではありません。鶴竜が悪いというよりも、鶴竜を横綱にあげてしまったことが悪い。相手の強みを受け止めてなお勝つ、そういう稀有なる力士にのみ横綱を張る資格があると僕は思います。

千秋楽後に出演したNHKのサンデースポーツで鶴竜は変化の真意について「肩の怪我が治っていなくて受け止められる自信がなかった、でも勝ちたかった、だから変化した」と語り、失望はより固まりました。受け止められる自信がなくても受け止めなければならないのが横綱だろうに、そこから逃げたのかと。大横綱・白鵬を見過ぎたせいかもしれませんが、横綱・鶴竜に感じる物足りなさ。大関・鶴竜であれば、素直に「器用なもんだな!」「怪我を隠しての戦い大変だったな!」「優勝おめでとう!」とその技能を褒められるであろう相撲に、こんなクドクドと言わねばならないことが残念です。

ということで、前座の説教が終わったところで、場所後恒例の本題説教を改めて行なうべく、NHK中継による「大相撲九月場所」のアレをチェックしていきましょう。

◆結果的に最高の踏み台としてまたも鶴竜をアシストしたアレ!

先場所か先々場所あたりから、僕はアレの地位を大関(ダイセキ/大関脇の意)と考えることにしました。ほぼ毎場所勝ち越し、そこそこの割合で10勝以上を挙げ、わりと終盤まで優勝争いに絡む。関脇として考えれば偉大すぎる成績を残すアレは、まさに大関脇の座にふさわしい。

しかし、フッと思ったのです。関脇だと、まだ優勝しそうな未練がましさがあるな、と。本当に強い力士は関脇にあがったくらいには優勝しますからね。33勝の星取り云々ではなく、関脇で優勝して軽々と関門を突破していくような力士だけが立派な大関になり、横綱になる力量を身に着けていくのだろうと。関脇で優勝できない程度の力士は、そもそも横綱にせんでいいのです。

その点、優勝とは永久無縁のアレは、平幕くらいがふさわしい。もっと気楽に、もっと生ぬるく、生きてごらん。まるでドミノ倒しでもやっているかのように「倒れるなよ…」と息を詰めながら見守る十五日間はコッチも疲れますし、アレ自身もそういうのが向いていないことは明白です。「平幕」でいきましょう。そうしたら「おっ、嘉風とアレは頑張ってるな」「殊勲賞・敢闘賞ダブル受賞だな」「ゆくゆくは大関になる器」と幸せいっぱいで見守ることができるでしょうから。

↓ときどき「アレって誰ですか?」って聞かれることがあるので、今日は最初に写真を紹介しますね!

コレがアレです!

アレそのものですね!

序盤のアレは珍しく順調な立ち上がり。初日には振り返ってみれば今場所の台風の目であった嘉風をまったく寄せ付けずに完勝。二日目にはコチラも今場所好調が目立った栃ノ心を自分の形で寄り切り。三日目の佐田の富士もまったく寄せ付けず。勝ち越しという大目標へ向けて平幕ながらもチカラのあるところを見せます。

↓四日目の苦手・碧山との取組では全員の助けを受けて勝たせてもらう!


取り直し相当の相撲で勝ちをいただくとは!

まさか、アレに日本出身力士の優勝でも期待しているのか!?

ムリ、ムリ!おやめなさい!

平幕優勝なんてめったにないことなんだから!

正直、おまえは期待はずれだ。

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平幕力士が全勝のプレッシャーに耐えるのは厳しいだろうと心配した矢先の五日目、アレは関脇・栃煌山との全勝対決に臨み、敗れます。ある意味でこれがアレを気楽にしたかもしれません。数少ないアレ狂信者は「しゅーーーりょーーーー」と叫んで闇に消えていき、周囲の関心も「さすが栃煌山だな」「栃煌山には大関のチカラがある」「栃煌山が最後の希望」と栃煌山へ移っていきました。(※なお栃煌山に行った勢力も翌日すぐ闇に消えた模様)

1敗したあとのアレは、軽くリラックスムード。七日目には勢いよくぶん回した際に大砂嵐の腕を骨折させる力強さを見せると、中日には逸ノ城を簡単に寄り切って「アレ?やっぱり優勝争いか」「平幕の好成績が目立つ」「そろそろ上位との取組も考えねば」とゾンビのようなアレ狂信者を掘り起し始めます。さらに九日目に勝ち越しを決めてホッとした段では、TBSの「あさチャン」相撲コーナーで景気のよい発言まで飛び出しており…

↓何か、すごい強そうに見えるじゃん!でもこの威勢「虚仮」なんだぜ!

アレ:「(照ノ富士の奮闘に)負けずとね」
アレ:「これから何回も対戦する相手ですから」
アレ:「負けずとやらなければいけないなと思いますしね」
アレ:「勝つことしか恩返しできることないですから」

アレが「勝つことしか恩返しはない」と勇ましく言っている姿を吉田沙保里が見ているwww

何だろうこの釈迦に説法感wwww

ただ、こうなるとアレのチカラは半減していきます。アレの特殊能力「優勝の可能性を自分で消す」が発動するのです。九日目隠岐の海との取組では過去12勝1敗と圧倒し、最終的に負け越して場所を終えた相手に土俵際でひっくり返されて2敗目。支度部屋に退く際にケツを叩いて「プワーン!」と叫ぶ姿は、周囲の人を「この人ヤバッ…」と一歩引かせるものでした。土俵では相手をもう一歩退かせることに失敗した帰り道なんですがね…。

↓オイ、アレ、モノに当たるな!
<稀勢の里2敗目「アーッ」優勝争い後退いら立ち無言>

悔しさをあらわにし、帰りの花道では右太ももを強くたたいた。風呂場に入ると「アーッ!!」と声を張り上げた。ステンレス製の水飲み場が激しくたたかれる音も響いた。問いかけに無言のまま引き揚げる姿には、自分へのいら立ちがいつまでも残っていた。

http://www.nikkansports.com/battle/sumo/news/1541899.html

何か穏便にタンバリンでも置いとけよ…。

アレが負けたらシャンシャンシャンするヤツを…。

↓なお、アレは五日目に敗れた際も風呂場で暴れていた!
花道レポート:「(実況の)佐藤さん、帰ってきた稀勢の里ですが」

花道レポート:「スローの映像を見ながら、はたいたところ、引いたところを見てすぐに風呂場に引き上げまして」

花道レポート:「風呂場の中でひとつ大きく地団駄を踏みましたね

花道レポート:「相当悔しそうでした!」

風呂場職人wwwwww

いっそ四股名も「●●の風呂」とか「●●の湯」とかにするのはでどうだろうwww

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十日目からは上位陣との対戦が組まれることになり、いきなり大関・琴奨菊が立ちはだかってきました。しかし、好調とは言えど、やはり平幕と大関ではチカラの差は明白。意図したものか単に立てないだけなのか、立ち合いで遅れて立ち上がると呆気なく寄り切られて連敗。琴奨菊などは、横に変化してやればすってーんとひとりで転ぶタイプなのですが、アレは基本的に変化などしませんので、突っ込みやすいカモと見られているのでしょう。真っ正直に大関の壁にぶち当たり、玉砕しました。

この時点でトップの照ノ富士とは星3つの差。同日に1敗の鶴竜も2敗に後退したことで、照ノ富士優勝という線が濃厚になってきました。「白鵬がおらんでも何も変わらんな」「むしろおらんぶんヤキモキして辛いな」「白鵬ーーー!!早く帰ってきてくれーーー!!」とアレ狂信者からはやおら白鵬待望論が沸き起こる始末。一気に優勝争いも盛り下がってきたのですが…。

↓十三日目、優勝争いの先頭を走る大関・照ノ富士に挑戦するアレは、平幕らしからぬ堂々たる顔芸でいい雰囲気!

まぶたのパチパチとくちびるのモーニョモニョは少なく、表情筋が動いている!

NHKが優勝争いのフリップから名前を撤去するくらいまで離れると、本来のチカラが出てくるな!

↓そしてアレは、最近アレ得意の左四つでわざと組んでくるなど舐めプを敢行していた照ノ富士を撃破した!


ってオイ、アレ、角界の未来を担う若者に怪我をさせたな!

バカモーーーン!!

みんなこれから照に食わせてもらうんだぞ!!

↓何をBLみたいな写真とか撮影されてるんだ!早く照様からどけ!

キスするときの光みたいなのが出てるwww

すでに裸だしやる気マンマンwww

これを「土俵ドン」と名づけようwwww

ドーン [ 平野啓一郎 ]

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でまぁ、ちょっと優勝するかもなんて期待も出たわけですが、十四日目は優勝の可能性が出てきたことで特殊能力も発動し、案の定サクッと敗れます。いくら優勝争いをしているとは言え、平幕を横綱に当てるとは厳しい取組編成です。しかも、横綱は1回目の立ち合いではなっかなか手をつかずにタイミングをずらした上で、先にアレが立つと右に変化を繰り出す注文相撲。さらにやり直しの立ち合いでは今度は左に変化する連続変化。相撲の幅が狭いアレには、まだまだ厳しすぎる相手だったかもしれません。まさか、ここでこんなことをするとは、アレの想定にはなかったでしょうからね。

↓変化には耐えたが、勝ち急いで腰高のまま寄っていったら、ひっくり返された!



横綱の変化はアカン!

しかし、負けたのはアレが弱かったから!

上手をとってしっかり攻めれば勝てる相撲だったのに!

終わってみれば11勝4敗の好成績。本来であれば敢闘賞受賞となるべきところですが、何故か選考から漏れてしまい、敢闘賞は同じく4敗の勢のもとに。今場所は白鵬不在の場所ではありましたが、嘉風・勢・アレという平幕勢の奮闘もあり、何とか千秋楽まで優勝争いをつなぐことができました。よく頑張ったぞ、アレ。

連日満員札止めがつづく大相撲人気を支えるためにも、下からの突き上げというのは必要です。白鵬、照ノ富士、日馬富士、鶴竜という上位の壁に全身全霊ぶつかって、熱いデブデブドーンを見せてもらいたいもの。生涯初の相撲観戦で、ドーンを見られなかったりする残念なお客さんが出たらかわいそうですので、基本ドーンでお願いいたします。白鵬がいないってだけで3000円ぶんくらい損してる感じなのですから、そのうえ鶴竜の相撲にまで注文がつくような状況は避けてもらいたいですからね。

アレ、白鵬が引退したらすぐ引退しろ!そのほうが印象がよくなる!