先発落ちが濃厚な本田圭佑【写真:Getty Images】

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本田、ジェノア戦は先発落ちへ

 ミラネッロのプレスカンファレンスルームは、選手ならびにスタッフのミーティングルームも兼ねている。26日に行われたシニシャ・ミハイロビッチ監督の記者会見後、地元記者の何人かはミーティングボードが放ったらかしになっていたのを発見し、模造紙をめくった。もっとも、27日ジェノア戦でのスタメンや戦術を示唆する情報が、そこに都合よく残っているわけはなかった。

 先発メンバーについても、指揮官は明言を避けた。「(ジャコモ・)ボナベントゥーラがトップ下? あのポジションにはたくさんの選択肢があるからな」「故障上がりの3人(ルカ・アントネッリ、ユライ・クツカ、そしてアンドレア・ベルトラッチのこと)の先発起用? 3人全員かもしれないし、そのうち2人かもしれないし、1人かもしれない(笑)」。ただ本田圭佑は、これまでの報道通りどうも先発落ちとなりそうだ。

 第3節のミラノダービー以降、低めの位置でビルドアップの要として機能しているリッカルド・モントリーボと、前節のウディネーゼ戦では慣れないインサイドMFの出場ながら奮闘したナイジェル・デ・ヨンクは先発濃厚。

 ボナベントゥーラはトップ下かインサイドMFか現在はわからないものの、「重要なのは彼がピッチにいることだ」とミハイロビッチは起用を明言している。あとは右内転筋の故障が癒えたベルトラッチのコンディション次第だが、練習復帰後の状態は良好だと伝えられている。

揺らぐミハイロビッチ監督からの信頼

 もっとも蓋を開けてみればスタメンは本田、という可能性もないわけではないだろう。個人的にはそうなることを願っているのだが、「トップ下にはたくさんの選択肢がある」とミハイロビッチが言っている以上、本田があのポジションで絶対的な立場を獲得するには至っていないということだ。

 戦術に沿っては動けているはずである。守備にはよく走っているし、ウディネーゼ戦の2点目ではサイドに突っ立って動かなかったマリオ・バロテッリの代わりに縦に走ったからこそ、ボナベントゥーラが裏へ飛び出すスペースができた。それでもなお足りないというのなら、それは監督が常々言う攻撃面での物足りなさということになる。

 某地元紙ではバロテッリと比較しつつボールタッチの少なさが批判されていたが、それは動いたところに味方が必ずパスをつけてくれるわけではないという事情の反映でもあるだろう。

 だがもともと点の出入りが少ないサッカーにおいては、少ないチャンスをどう生かすかということも重要だ。ましてや守備が執拗で、相手が必要とするスペースを容赦なく消すイタリアにおいては、その状況の中でなんとかするというパーソナリティが不可欠だ。

指揮官が本田に期待するものとは

 コッパ・イタリアのペルージャ戦のように、相手がスペースを献上してくれれば、カルロス・バッカやルイス・アドリアーノと細かくパスを回せる。ただセリエAでは、連係に必要なパスの選択肢は狭められ、自らにも人が張り付く。

 そこでタッチが余計にかかり、周りの守備が整ってしまうという悪循環が見て取れる。ボールが収まらないのはコンディションの問題もあるのかもしれないが、いずれにせよプレッシャーの中で、次のパスやシュートへクイックにつなげられるようなプレーが欲しい。

 さらにウディネーゼ戦では、今季は比較的減っていたように見えたボールロストも増えた。被シュートにつながったシーンは幸いなかったものの、相手の拙攻や味方のフォローがなければ危ない取られ方をしていた。

 これまでの試合で、ミハイロビッチ監督は「本田にはボールポゼッションを演出するように要求していた」と語っている。その期待を裏切るようなプレーをしていれば、信頼を強固なものにするのは難しくなるだろう。

 ジェノア戦で出されなければ、その辺りが課題となっているはずである。当然出された場合には、不安を払拭するプレーが求められる。マンマーク気味に張り付くジェノアのプレスをかいくぐり、チームの得点に結びつく活躍ができるか。先発でも途中出場でも、目標はそこだ。

【了】

text by 神尾光臣