夏の終わりから冬にかけておいしい食べ物のひとつが「里芋」。品種によって旬の時期が異なり「石川早生」は初夏から初秋に、「土垂(どたれ)」は初夏から仲秋にかけて、「セレベス」や「八頭」は12月においしく食べられます。

里芋って縁起がいい食べ物なの?

里芋はさといも科の植物です。東南アジアが原産で、熱帯アジアでは主食になるタロイモ類の一種。地下茎の部分と葉柄のずいきを食用にします。日本へは縄文時代に伝えられました。秋になると芋煮会の材料として使われることでも知られていますね。八頭という品種は、親・子・孫の芋がかたまり状になって育つので、子孫繁栄を象徴する植物としてお正月料理などおめでたい料理に使われます。

里芋のマンナン・ムチン・ガラクタン

里芋はでんぷんが主成分で、食物繊維が豊富な低カロリー食品です。ぬめり成分はマンナン、ムチン、ガラクタンなどです。これらは糖とたんぱく質が結合した物質です。マンナンはこんにゃく・海藻などにも含まれる食物繊維で便秘予防に効能があります。ムチンは納豆、オクラやなどにも含まれます。粘膜を保護して消化を促進し、消化器官を健康に保つとともに、目の健康を維持してくれます。ガラクタンは苦味やえぐみを持つ成分で、免疫力アップ効果、がん予防効果も期待されています。ぬめり成分は料理をするときに洗い流してしまうと効能が半減するので、注意が必要です。ぬめりは健康によい成分ですが、のどを刺激する性質を持つため、咳・痰など風邪の症状がある人や皮膚に炎症がある人は控えめに摂るほうがよいでしょう。

手がかゆくなるワケは?

里芋のぬめりを触ると手がかゆくなりますが、これは茎や地下茎にシュウ酸カルシウムが含まれているからです。この物質の結晶が壊れると、針のような形の結晶に変化して、外部に飛び出るようになり、皮膚に針状のものが刺さってかゆくなります。里芋を調理するときには塩や重層を手にまぶすとかゆみが起こりにくくなりますよ。


writer:松尾真佐代