新しい結婚の形を提唱

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いつも恋に心をときめかせているのが「ハタチ」のイメージかもしれない。しかし、今はなんと7〜8割の男女に彼氏彼女がいないというのだ。マーケティングライターの牛窪恵さんは、豊富な結婚市場調査の体験を元に、そんな彼らの実態を解き明かす著書「恋愛しない若者たち〜コンビニ化する性とコスパ化する結婚」(ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)を2015年9月30日に出版する。1100円(税別)。

若者の「恋愛スルー」思考を、むしろ肯定

「おひとりさま」「草食系」―。牛窪さんは、これまでの著書で、こんなキーワードを駆使して、混迷する現代の恋愛事情を分析してきた。フジテレビ系「ホンマでっか!? TV」のコメンテーターとしても、お茶の間にお馴染みだ。

恋人がいない20代男女。実に4割が「恋人はいらない」派になっている。これは、少子化社会対策白書(2015年内閣府発表)によるリポートだ。背景には、恋愛について、面倒くさい、恥ずかしい、コストに合わない、という若者の意識があると牛窪さんは言う。

牛窪さんらが20代男女600人を調査したことで、こうした意識が裏付けられた。

「恋愛? 要らないです。ほかに楽しいこと、いくらでもありますから」。嵐やAKBの情報を追うことに熱を上げ、ラインで恋愛ゲームにはまる。性欲の解消は、ネット上に氾濫するエッチ画像や動画で済ませる。こうした環境の中で、多くの若者が、恋愛に向かわない気持ちを訴えていた。

ところが、20代男女は、そのほとんどがお見合いより恋愛結婚を考えており、9割近くが「いずれ結婚するつもり」と答えていた(10年国立社会保障・人口問題研究所調査)。恋愛しないのに結婚はしたいというのは矛盾するが、その背景には、若者を取り巻く様々なリスクがあることも分かってきた。

最大の要因は、バブル崩壊と長引く不況。

牛窪さんは、労働者派遣法の改正による若者へのしわ寄せについて、「この法のどこが、未来ある若者に希望を抱かせる内容なのか」と怒りを露わにする。原因を作ったのは、若者ではなくむしろ大人というのが牛窪さんの一貫した立場だ。

そのうえで、牛窪さんは、若者が直面している矛盾に理解を示したうえで、その思考にマッチする様々なスタイルの新しい結婚の形を提唱する。牛窪さんは、「あくまでも、若者たちの背後にある社会の問題を突いていますので、若者の『恋愛スルー』思考を、むしろ肯定する本です」と話している。