ジュビロ磐田のジェイ【写真:Getty Images】

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ジェイから日本サッカーへの提言

 現在ジュビロ磐田でゴールを量産するFWジェイ。プレミアリーグの経験が豊富な彼は、日本サッカーをどう見ているのか? 欧州版連載の特別編、どうぞお楽しみに!

王者は最も多くの試合に勝ったチームであるべきだ

 僕はJ1と2ステージ制について言いたいことがある。1stステージを優勝して終えて、2ndステージで毎試合負けてもシーズン終了時にチャンピオンでいられる世界で唯一のリーグだと思う。チャンピオンであるということは、シーズン全体を通してだけでなく、6ヶ月だけでもいいんだ。

 Jリーグはお金を生み出す他の方法を見つける必要があると思う。1stステージすべての試合に負けていても、2ndステージを勝てばチャンピオンシップを獲得できるなんておかしい。王者は最も負けが少なく、最も多くの試合に勝ったチームであるべきだ。

 誰しもが成功したいと思うし、浦和レッズのように負け試合の少ないチームもあるが、彼らは2ndステージで中位に甘んじている。もし浦和が2ndステージを2位で終えれば年間勝ち点で首位になるが、1stステージで失敗して2ndステージを勝ち取ったチームに負ける可能性があるなんて…もし僕が浦和の選手だったら優勝したとしっかり認めてもらいたい。勝ち点が最も多いのだから。

 イングランドではクラブを通して金を生み出す。カップ戦で小クラブとビッグクラブを対戦させるよね。一方で2ステージ制のようなシステムは絶対に導入しない。選手として納得できないよ。勝ち点を最も多く獲得したチームが優勝できないなんて、選手の気持ちはどんな感じだと思う?

日本人は過小評価されている。一部のプレミアの選手よりも優れている

 2ステージ制はJリーグにも良いことがあるかって? 全てあてはまるわけではないと思う。僕はJリーグでプレーしているからね。僕が言っているのはこういうことだ。

 これまでキャリアのほとんどをイングランドで過ごしてきたけれど、正直に言ってJリーグはプレミアリーグに倣って組織やインフラを整えることができると思っている。イングランドを見てみれば90%のチームは借金を抱えているが、日本では借金のあるクラブはない。つまり財政的に安定していることになる。スタジアムはトップレベルだと思うし、ピッチも本当に素晴らしい。トレーニング環境も優れているし、日本のチームにはたくさんのスポンサーがついている。テレビ放映もうまくいっていて、ファンもすぐそこにいるよね。

 全てが素晴らしいし、日本人選手たちは過小評価されている。僕はイングランドで長くプレーしてきたけど、多くのJ1やJ2の選手たちは一部のプレミアリーグの選手よりも優れているように見える。プレミアリーグでプレーする選手たちは攻撃的だが、日本人は技術的に恵まれている。

 これまでイングランドではアジア人選手が好まれない傾向にあったけど、いまはたくさんのアジア人がプレーしているよね。韓国人のソン・フンミン、日本人だと吉田麻也や岡崎慎司。以前は香川真司もいた。今ではアジア人選手にも扉は開かれているんだ。アジア人とプレミアリーグの選手たちの間に、技術やフットボール能力の大きな違いがあるとは思わない。もし違いがあるとすれば、攻撃性とフィジカル能力じゃないかな。

 結局のところフットボールに生きる人々の考えが先にあって、スポンサーシップはその後にくるんだ。日本ではスポンサーが最初に考慮されるけど、本来そうあるべきではないと思うよ。

【編集部より】ジェイ選手はサッカーを通して恵まれない方々へのサポートを継続しています。本記事の原稿料は執筆者であるジェイ選手の意向により、ボランティア団体へ寄付致します。

プロフィール
ジェイ・ボスロイド
1982年、イングランド出身。アーセナルユースを経て、2000年にコベントリーでプロデビュー。以降、国内外のクラブを渡り歩き、今年よりジュビロ磐田に加入。2010年にはイングランド代表も経験。Jリーグでの登録名は「ジェイ」。
Twitter:@jaybothroyd

text by ジェイ・ボスロイド