レジェンドを彷彿とさせるズマ(左)とカラブリア(右)【写真:Getty Images】

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今節の注目選手

今週末も欧州各国のリーグ戦とJリーグが行われる。その中でも、特に注目すべき6人の選手を紹介しよう。彼らはどんな活躍を見せてくれるだろうか。

クルト・ズマ(チェルシー)

 187cm85kgという恵まれた体格、鋼のように鍛え抜かれた肉体、圧倒的な高さとスピード…弱冠20歳にして、クルト・ズマはフィジカルにおいてDFに必要な全てを兼ね備えている。

 ズマと対峙した相手FWは、ドリブルで抜いたと思えば長い脚でボールをかっさらわれる。そのスライディングタックルには、美しさすら感じさせる程だ。名将ジョゼ・モウリーニョ監督をして、「マルセル・デサイーの再来」とまで言わしめたズマは、衰えが見え始めたチェルシー守備陣に射し込んだ希望である。

 今週末に控えるのは、アウェイでのニューカッスル戦。敵地セント・ジェームズ・パークでの試合は現在3連敗中とまさに“鬼門”だ。昨季最小失点を築いた守備も、今季は気付けばワースト2番目。アーセナル戦に勝利し、上昇気流に乗りつつあるチームを連勝街道に押し戻すためには、この若きフランス代表の活躍が欠かせない。

ノルディン・アムラバト(マラガ)

 今季のマラガは、第5節を終えて3失点と固い守備を誇る。…が、その一方で得点はなんとゼロ。5試合を戦っていまだ1つもゴールがないのだ。そんな中で迎える第6節はアウェイでのレアル・マドリー戦。強敵が相手とはいえ、まずは何が何でも今季初のゴールが欲しいところだ。

 そんな中で期待されるのは、昨季チーム得点ランク2位のアムラバトだ。最多得点のFWフアンミはサウサンプトンに移籍し、古巣復帰を果たしたロケ・サンタクルスは負傷が癒えずという状況では、このモロッコ代表FWに期待せずにはいられない。

 VVVフェンロ時代には本田圭佑ともプレーしたアムラバトは、前線ならどこでもプレーできるユーティリティ性が売りだ。欠場した前節ビジャレアル戦を除き、4試合は全て異なるポジションでプレーしている。

 何はともあれ、今のマラガに必要なのは「ゴール」。アムラバトは、サンティアゴ・ベルナベウのゴールネットを揺らすことができるだろうか。

ダビデ・カラブリア(ミラン)

 今季、ミランで“シンデレラ・ボーイ”となりそうなのが、U-20イタリア代表DFダビデ・カラブリアだ。精巧な顔つきの若干18歳の左サイドバックは1996年にブレシアに生まれ、6歳で地元クラブでサッカーを始めた。

 この将来有望なDFにはミランのレジェンドも太鼓判を押している。パレルモ戦後、ミラン元主将のパオロ・マルディーニ氏が自身のインスタグラムで「素晴らしいカラブリア。(2得点を挙げたFWカルロス・)バッカとともにMVPだった」と絶賛した。

 もちろん、本人もマルディーニ氏をアイドルと公言している。また、現役選手ではミランの4歳年上であるDFマッティア・デ・シリオに憧れて育ったようだ。カラブリアとデ・シリオ、ミランの両サイドは2人の“ネクスト・マルディーニ”によって10年は安泰かもしれない。

ロン=ロベルト・ツィーラー(ハノーファー)

 ブンデスリーガ最下位に沈むハノーファーは開幕から失点を重ね続け、いまだ今季勝ち星がない。第6節時点で15失点は最多だ。次節の敵地ヴォルフスブルク戦では、この25歳のドイツ代表GKが相手の強力攻撃陣を完封できるかに期待がかかる。

 ドイツ人ながらマンチェスター・ユナイテッドの下部組織出身という異色の経歴を持つツィーラーは、出場こそなかったものの2014年ブラジルW杯優勝を経験。安定感抜群のセービングには、国内から高く評価されている。

 昨季リーグワースト5番目の失点数ながら辛うじて残留したハノーファーにおいて、ツィーラーがドイツ代表に呼ばれ続けるのはその才能の高さ故だろう。25歳ながら多くの経験を積み重ねてきたツィーラーは、最後尾からチームの勝利に貢献できるだろうか。

ハテム・ベン・アルファ(ニース)

 ユース時代からワールドクラスになれる才能と騒がれていたが、精神面の未熟さが壁となり伸び悩みが続いている。昨季はハルとニューカッスルに在籍した後、ニースへの移籍が発表されたものの、「1シーズンで2つより多くのクラブで公式戦に出場できない」というFIFAのルールに抵触して試合に出場できなかった。

 しかし今季は足かせを外され、水を得た魚のように生き生きとプレーを楽しんでいる。ニースでは不動のトップ下として毎試合ハイパフォーマンスを披露し、23日のボルドー戦では加入後初の2得点で6-1の勝利に大きく貢献した。長く期待されながら燻っていた特大の才能が本格開花の兆しを見せている。

佐藤寿人(サンフレッチェ広島)

 前人未到の12年連続二桁ゴールなど、ゴールネットを揺らし続ける佐藤には、“点取り屋”という言葉がぴったり当てはまる。

 多彩な得点パターンは日々の鍛錬と真剣勝負の中で培われた賜物で、誰もが真似できるものではない。爆発的なスピードがあるわけでも、圧倒的な高さや強さがあるわけでもない。でも、誰よりも得点を奪う。そんなゴールマシーンだが、ここ2試合は不発に終わっている。

 元日本代表FW中山雅史が持つJ1最多得点記録の157得点まであと1点に迫っており、周囲の期待も膨らんでいる。今節の清水エスパルス戦で、佐藤にゴールは生まれるだろうか。

text by 編集部