いつまでも齢を取らずに長生きしたい。そんな不老長寿への夢は、人類の共通の思いだ。100歳まで生きる長寿の人は「サーチュイン遺伝子(長寿遺伝子)」という遺伝子が“オン”の状態になっているという。
 まず、長寿遺伝子とはいかなるものなのか。
 山梨医科大名誉教授の田村康二氏が説明する。
 「医学界では、長寿遺伝子は誰もが持っているという考え方が支配的で、食事を減らし、摂取カロリーを7割くらいに減らすことにより、遺伝子が“オン”になると言われています」

 宴会だ、接待だと、普段我々は食べ過ぎの傾向があるが、せっかく長寿遺伝子を持っていても、常に満腹の状態だと遺伝子は眠ったままになっているというのだ。食事は1日3回、なるべく毎日同じ時間に食べるのが理想的。夕食の量が多くなりがちなビジネスマンは、朝、昼を減らして、トータルカロリーを成人の平均摂取カロリー(1800〜2200キロカロリー)から1500キロカロリー程度に抑えればいいのだ。
 「長寿遺伝子のスイッチがオンになるには、カロリー制限を始めてから3週間かかると言われます。その頃には、疲労感が減り頭が冴えるようになる。ただし、一度でもカロリーオーバーするとスイッチは切れ、努力が無駄になってしまうと言われています」(健康ライター)

 もちろん、不必要な栄養を摂らない食事制限だけでは十分ではない。そこで、長寿遺伝子を活性化させる様々なサプリメントが開発中で、日本ではすでに販売されている物もある。
 「そのサプリメントの一つに、『レスベラトロール』があります。これは、タデ科の植物のイタドリや、赤ブドウの皮などから抽出されるポリフェノールの一種。動物実験では、長寿や抗炎症、抗がん、血糖降下、放射線障害の抑止などの作用が確認されています」(同)

 米ハーバード大学の研究チームは、この『レスベラトロール』が酵母の寿命遺伝子に直接作用し、活性化させていることを突き止めている。
 「同研究チームは、試験管内で酵母菌の寿命を70%伸ばすことに成功しており、その効果はマウスでも確かめられている。高カロリー状態のマウスに『レスベラトロール』を投与すると、カロリー制限をしていないのに長寿遺伝子が活性化され、寿命が延びたそうです。また、線虫や小魚など、様々な動物による実験も行われ、いずれも同じ結果が出たとされます」(サイエンスライター)
 米国ではこの『レスベラトロール』を使ったサプリメントが大ヒットしたという。