5月のACLでトップチームデビューを飾った堂安(38番)。クラブも大きな期待を寄せており、主にサイドハーフとしてプレー。(C)Getty Images

写真拡大 (全2枚)

 
 U-18日本代表は、10月2日からラオスのビエンチャンで開催されるU-19アジア選手権の予選に挑む。グループJの日本は、10月2日にラオス、4日にフィリピン、6日にオーストラリアと対戦。各グループ1位と各グループ2位の中から成績上位5チームが、本選となるU-19アジア選手権に出場する(16年10月13日〜30日にバーレーンで開催)。U-18日本代表のキーマンとして期待されるG大阪の堂安律とは、どのような男なのか。
 
――◆――◆――
 
 1997年生まれ以降の選手で構成され、2年後の2017年U-20ワールドカップ出場を目指すU-18日本代表。今年1月から活動をスタートした――とされているが、内山篤監督は昨年のU-17代表監督を務めている。つまり、実質的には昨年3月から継続性を持っているとの見方もできるだろう。
 
 U-17代表からの大きな違いは、ひとつ下の98年生まれの選手たちがメンバーに食い込んでいることで、その象徴的な存在が、G大阪の堂安律である。
 
 高校2年にして、すでにG大阪のトップチームでデビューを飾っており、現代表の主軸なのは間違いない。キープ力とパスセンス、打開力といった強みが最も活きそうなのはトップ下だが、内山監督が主に採用するシステムは4-4-2。それゆえ、「『アイツはなんか違うな』と言われたい」(堂安)と、常日頃から語る特異な個性の「置き場」に悩んできたのも確かだ。
 
 ちなみにU-16代表時代は、サイドの起点かつ後方からフィニッシュに絡むことを期待され、奇策に近い形で左SBとして起用されていた。しかし“SBらしいSB”を好む内山体制下においては、左右のSBに左足クロスが冴える浦田樹(千葉)、スピードの光る藤谷壮(神戸U-18)を配置。それぞれ不動の存在となっている。
 
 そのため、主にサイドハーフとしての起用が模索されてきたが、堂安と同じ左利きで切れ味鋭いドリブルを武器とする三好康児(川崎)とポジションが被ってしまうため、最終的にはボランチに落ち着きそうだ。
 
 
「守備は苦手だけど、徐々に慣れてきた」と言うように、フィット感は悪くない。上背はないが競り合いには強く、屈強な外国籍選手を相手にしても腰を入れてボールを奪い切る強さも備える。テクニシャンにありがちな“ひ弱さ”はまったく感じられない。例えるなら、かつてのA代表が中田英寿をボランチに置いた時のイメージに似ている。
 
 堂安をU-18代表のキーマンに推す理由はもうひとつある。それはU-19アジア選手権予選のグループで、オーストラリアが同居しているからだ。
 
「(グループの)組合わせが決まった時から、ずっと意識している」と言う堂安には、苦い思いがある。昨年のU-16アジア選手権のグループステージでオーストラリアに2-4と敗戦。その結果、グループ首位通過ではなく2位通過となり、ベスト8で韓国と激突して世界大会への出場を絶たれたのだ。
 
「あの借りを返さないといけない」。そう言って不敵な笑みを浮かべる男が、日本を10年ぶりのU-20ワールドカップへと牽引する。
 
取材・文:川端暁彦