山田 美帆 / カラーコンサルタントRosa

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皆様こんにちは。
カラーコンサルタントRosa代表、山田美帆です。

最近、ほとんどの女性ファッション雑誌に当たり前のようについてくる付録。
中には、雑誌の内容よりも、付録が欲しくて買ってしまう方もいるようです。
読者にとっては、人気のあるブランドとタイアップしてる商品には、特にお得感があるのでしょう。

そこで今回は、付録の実態について分析してみました。


■女性誌の付録と言えば元祖は宝島社

幼いころ、りぼん・なかよし・ちゃお等など買った時に必ずついてきた付録。
時には、マンガよりも楽しみにしていた方もいるのではないでしょうか。
キャラクターの文房具・バッグ・トランプなどがありましたが、本を買って応募した者全員に当たる、「全プレ」と呼ばれる企画もありました。

ところが大人になってそのワクワク感は何処へ・・・
それを取り戻してくれ、現在の付録付き雑誌の火付け役となったのは宝島社です。

広報の方によれば、付録のブランドアイテムは、編集者がデザインや素材、製法まで担当して、コラボしてくれるブランドを探すそうです。
だから、メーカーの意向に関わらず、作りたいと思える商品を作ることができるのです。

ところが、他社の付録には、ブランド企業が知名度を上げるたびに、売りたい商品を雑誌社に売り込むこともあるそう。
違いがはっきりしていますね。

確かに、宝島社の今年9月号の「LeSportsac 風間ゆみえコラボ 旅するスーベニアケース」は、バッグブランドの「レスポートサック」と、人気スタイリストの「風間ゆみえ」さんがコラボレーションしたデザインで、色・デザイン・テクスチャーのすべてがすぐれており、付録とは思えないくらいのクオリティでした。
どこに行っても、売り切れ続出だったので、人気のほどがわかりますね。


■女性はどういう付録だと嬉しいのか?

最近の付録はバッグ類ばかりではありません。

VOCE(ヴォーチェ)6月号では、「進撃の巨人フェイスパック」がついていて、雑誌には「巨顔を小顔にするのだ!」ということで、小顔になるためのツボが掲載されていました。
こちらのパック、その後市販されています。

以前も1枚1500円するパックが、600円くらいの雑誌についてきた時は話題になりました。
その時は、1回に5冊ほど買っていく方も多く、付録だけ持って帰って、雑誌を捨てていく迷惑なお客もいたようです。
また、よく付録なしで雑誌本体だけがオークションで売られていますよね。

パックのみならず、ミニサイズの化粧品や、コスメ道具は喜ばれます。
それは、雑誌の値段以上の価値を感じる方が多いからです。

他には、靴下やストッキング、タンクトップなどの消耗品も人気があるようです。

いまやデジタルで雑誌は読めますが、付録は受け取ることができません。
それがアナログで雑誌を買う醍醐味につながってるのではないでしょうか?


それでも付録がいらない方のために…

ところが、どの雑誌も似たようなバッグやポーチばかりで、かえってタンスの肥やしになったり、品質が「おまけ」の域を超えてなく、ペラペラで使うのが恥ずかしい、人とかぶりすぎるのも嫌だという声もあるようです。

最近は、「付録はいらないから雑誌の値段を安くしてほしい」「雑誌の中身が大事」という意見も強くなってきたので、付録ありと付録なし、両方を併売してる雑誌も出現しました。

集英社の「MORE(モア)」ですが、付録ありが730円、付録なしが600円で、表紙も違います。
月によって様々ですが、大体130〜150円くらいの差ですが、これをどう考えるかだと思いますが、それくらいの値段で、プラスアルファーが手に入ると思えば、やっぱりお得な気がします。

ただ、あっても邪魔になるものなら、なしの選択ができるのはうれしいですね。
まあ、付録ありを購入して、付録だけをオークションに出品すると、高値で売れてるみたいですが…


■雑誌にそれなりの価値があれば付録はいらないのでしょうか!?

インターネットが普及するにつれて、雑誌の売り上げが鈍化しています。

情報はすべて検索できますし、好きなタレントやモデルの服装やコーディネートはSNSでチェックすることができます。
また、いくら雑誌のモデルと同じ恰好に憧れても、実際に着てみると全く違うイメージになるのです。
つまり、もはや雑誌には等身大の人間と同じ魅力が見いだせないのです。

そこまで雑誌に魅力を感じなくなった現在、付録の価値は侮れません。
と言うのも、雑誌の中身の真価が問われているからです。

無料で情報を収集できる現代、わざわざお金を払ってまで本を購入させるには、それだけの魅力を感じさせることが大事です。
しかし、それができなければ、付録で付加価値をつけるしかなくなっている気がします。

今は、商品を提供して消費者の反応をみたい企業が、付録と言う名のサンプルを配布することでwin-winの関係が保たれていますが、付録の商材の限界が来なければいいのですが…


<おまけ

付録のついている雑誌は、問屋からは雑誌と付録別々に搬入するので、本屋さんが「付録組」をするそうですね。
間違った付録を入れたり、付録を入れ忘れたりすることもあるそうで、本当に大変な作業とか!?

本屋さんも大変だ!