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東京工業大学は9月18日、国際宇宙ステーション(ISS)の「きぼう」日本実験棟で2カ月間飼育したメダカを分析し、無重力で骨量が減少するメカニズムの一端を明らかにしたと発表した。

同成果は同大学大学院生命理工学研究科の工藤明 教授らと、東京医科歯科大学、宇宙航空研究開発機構(JAXA)らの共同研究によるもので、英科学誌「Scientific Reports」に掲載された。

同研究グループは、ISSの「きぼう」日本実験棟に搭載された水棲生物実験装置を用いて、2012年10月から12月までの2カ月間にわたり、骨を造る造骨細胞と骨を吸収する破骨細胞の様子が観察できるトランスジェニックメダカを飼育した。飼育したメダカの骨組織を解析した結果、無重力環境の影響として咽頭歯骨の骨量が減少しており、破骨細胞の活性化の進行がその原因であることがわかった。また、破骨細胞のミトコンドリアの形状異常が観察され、ミトコンドリアに関連する2つの遺伝子の特異的な発現上昇が認められた。この結果について同研究グループは、破骨細胞のミトコンドリアの変形と、これら遺伝子発現上昇の相関関係についてはさらなる解析が必要としつつも、無重力環境におけるミトコンドリア関連遺伝子の発現が破骨細胞の活性化を引き起こし、骨量減少につながったことを示唆しているとしている。

同研究グループは、今回の実験後、2014年2月に同様のメダカを用いて、無重力下での造骨細胞および破骨細胞の動態をリアルタイムに観察した実験を「きぼう」で行っており、その解析結果は論文の準備が進められている。また、「きぼう」ではゼブラフィッシュを用いた筋萎縮の実験も行われている。今後、宇宙での筋・骨量減少などに関する研究を通じて、地上での健康維持や高齢化社会への対応などにつながることが期待される。