最近、こんなニュースが流れた。8月末のAP通信によると、米国に住む世界長寿1位のスザンナ・ジョーンズさん(116歳)とイタリアに住む2位のエマ・モラノさん(115歳)は、毎日、卵を2〜3個食べている“卵大好き人間”だという。
 この2人の女性は、年齢なりに体力は低下しているが、薬は多用していない。米団体『老人学研究グループ』のデータでは、共に1899年(明治32年)生まれ。19世紀生まれの存命者は、世界にこの2人しかいないと見られており、モラノさんのかかりつけの医者は「驚異の人だ」と驚きを隠せない。
 モラノさんは、病気がちだった幼少期に、医師から卵を食べることを勧められた。それ以来、毎日2〜3個の生卵を食べ続ける生活をしてきた。野菜や果物はあまり食べずに、ステーキを好んで食べていたが、常用薬を必要とすることはなかったという。一方、ジョーンズさんは、朝風呂のあと食事をする生活をしている。ベーコンとスクランブルエッグ、すり潰したトウモロコシを煮たグリッツが、定番のメニューだ。

 卵1個には、コレステロール20ミリグラム超が含まれている。そのため、「卵は1日1個まで」が常識とされてきたが、今年、コレステロールに対する考え方が激変する発表がなされた。
 まず2月に、米農務省が「コレステロール摂取の制限をなくす」と発表。続いて日本でも厚労省が、コレステロールの1日の摂取基準値を撤廃し、日本動脈硬化学会も「食事で体内のコレステロール値は変わらない」という声明を出した。これらを受けて、卵への注目があらためて高まっているといわれる。

 『卵を食べれば全部良くなる』の著者で、血液診断士の佐藤智春氏はこう語っている。
 「卵にはコレステロールはもとより、食品からしか摂取できない9種類のアミノ酸(タンパク質)がバランスよく含まれています。日本人は1日平均20グラム前後のタンパク質が不足しているといわれています。卵1個からとれるタンパク質は約7グラムですから、健康維持のために1日3個は食べるべきですね」
 佐藤氏もある病気がもとで、歩くのが困難になるほど体調不良に陥ったが、1年間、1日10個の卵を食べる生活を続けたところ、そこから抜け出せたという。

 卵に含まれるタンパク質は“食べだめ”ができないが、必要量を毎日摂取するのは簡単ではない。不足がちのタンパク質(約20グラム)を補うためには、肉や魚の場合だと100グラムほど多く食べなくてはならない。
 その点、卵なら手軽に食べられる上、ビタミン、ミネラルなどの栄養素も豊富だ。消化が良く、調理法のバリエーションもさまざまで、幼児から高齢者まで食べられる。それこそ朝昼晩と食べることも難しくない。