ハンドクリームの香りで気分転換

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 秋冬の乾燥に備えるために使われるハンドクリームだが、最近では季節に関わらず使用されることが増えた。保湿だけでなく香りを変えて気分転換に利用され、ショップでは一人で数種類の香りのハンドクリームを購入、場面ごとに使い分けるのが常識となりつつある。

「何種類もの香りを選んで買っていかれるお客さまが多いです。お花の香りのものが全体的に人気ですが、とくにその季節に咲く旬のお花が人気です。紙の書類を扱われたり、PCの作業が多くてキーボードをよく使われる方だと、職場用にさっぱりした肌触りのものを選ばれますね」(化粧品ブランド店員)

 昨年12月に全国の20〜50代女性対象のハンドクリームに関する調査によると、20代女性は18.6%が「気分転換したい時」に使用し、重視点に「好きな香り」と回答した人が48.8%にものぼった(ドゥ・ハウス調べ)。若い女性ほど、香りを重視して選び使っていることがわかる。では、ハンドクリームは実際にどんな使われ方をしているのか。

「ロクシタンのローズをバッグに入れて持ち歩いています。仕事に向かうとき、通勤の車から降りるとき、これから打ち合わせとか、気持ちを切り替えたいときに塗って、香りで気分を上げるんです。香水代わりに使っています。ただ、食事会など香らないほうがいいときには匂いが強くないものにしています。最近は洗濯の柔軟剤の香りも強いものが多いし、場所や人にあわせて使い分けていますよ」(30代アパレルショップ店員)

 もっぱら保湿の機能性を競ったのは、ハンドクリームにとって過去のこと。ロクシタンのローズをはじめとしたバラの香りが人気を集めたのを皮切りに、化粧品ブランドから様々な花や果物の香りのハンドクリームが登場した。香り高いハンドクリームの人気はすっかり定着し、クリスマスやホワイトデーなど、女性へのプレゼント用にとロクシタンのレジで男性が列を作るのは珍しくない光景だ。

 よそ行きだけでなく、普段使うものにも同様の変化が起きている。ドラッグストアに並ぶハンドクリームというと実用第一で無香料で薬品のような匂いが多かったが、ここでも花や果物の香りが増えている。たとえば家族で使われることも多い「アトリックス」にもピーチティーなどの甘い香りが、外国人にも人気の「ユースキン」からはジャパニーズローズとラベンダーの香りがするチューブタイプのハンドクリームが登場している。

 フローラルやフルーティな香りが人気の中心だが、これからはバニラなどお菓子のような香りに注目が集まりそうだという。

「職場のデスクに何種類も用意しておいて、そのときの気分によってハンドクリームを使い分けています。ラベンダーとかチェリーとかおいてありますね。寒くなってくるとバニラの香りがいいですよ。まだ日本だと少ないですけど、ときどき限定で出るので逃さず買っています」(30代会社員)

 香水だと周囲に匂いを振りまいてしまうけれど、ハンドクリームなら自分の手もととその周囲だけで、香りが薄くなるのも早い。香りによって気分を変えるハンドクリームの使い方は、若い女性を発信源としてじわじわ広がってゆきそうだ。