ミランの本田圭佑【写真:Getty Images】

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選手の入れ替えに伴うリスクとは

 ミランは現地時間22日、セリエA第5節でウディネーゼとアウェイで対戦する。ミッドウィークでの開催となった今節だが、前節のパレルモ戦で79分までプレーした日本代表FW本田圭佑は、この試合で「フィジカル的なリカバリー」が重要になってくると語っている。

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「最低でも、(本田圭佑は)自らのプレゼンスを勝利という結果につなげたいところ」。前節パレルモ戦のレビューでそう書かせていただいたが、そうなると何がいいのか。

 結果が出れば、次の試合にもチーム戦術の踏襲が求められる。そしてそれは、当然スターティングイレブンの踏襲につながるからだ。無暗な選手の入れ替えは、全体の戦術バランスを崩すことにつながりかねない。つまり個人として結果が出ている、出ていないに関わらず、本田をスタメンから外すことにも慎重になるのである。

 ミッドウイークとなるこの試合では、体力調整のためターンオーバーの必要性も当然出てくる。しかし中盤ではユライ・クツカが足首を痛めたため、「明日(23日)には使えない」とシニシャ・ミハイロビッチ監督は前日会見の席で語っていた。

 故障明けでフィジカル面でのコンディションも上がりきっていないと言われるリッカルド・モントリーボにも、温存の可能性があると報じられている。そうなると前節の試合からすでに中盤で2人の変更となっており、そこからさらにトップ下本田を代えることはさすがに難しくなる。

 前線でプレスをかけて相手の攻撃を遅らせ、中盤の他のポジションのカバーにも入る。勝利をしたことで、そういった地味なプレーにも光が当たり始めてはいる。かつてブレシアやフィオレンティーナ、インテルで活躍したテレビ解説者のダニエレ・アダニ氏は「本田はいい試合をした。他の選手との連係も良くなったし、果敢だった。バッカがラボーナでシュートを狙うシーンがあったが、あの前にボールを奪ってパスを出したのは本田だ」と語っていた。

ミッドウィーク開催で溜まる疲労

 ただ当然、それでいいということにはならない。「我々のファンは要求が高く、サッカーを分かっている。観客のムードを盛り上げるべきは我々であり、我々が観客に盛り上げてもらうと考えるべきではない」。前日会見、ミハイロビッチ監督はそう語り、サン・シーロでのブーイングにも理解を示した。

 そして本田に対しては、「攻撃面については良くなってもらう必要がある。もっと(ゴール前で)鋭く仕掛けて、シュートも狙ってほしい。技術はあるのだから、試合でそれを見せてくれさえすればいいのだ」と発破を掛けた。

 現役時代からものをはっきり言ってきたミハイロビッチは、監督として選手を指導する上でも率直である。2週に渡って攻撃面での課題を言われている以上、やはり次の試合ではゴールを脅かすようなプレーをしていかなければならないだろう。もちろんこれまでのように、戦術上の要求をこなした上でだ。

 だがこのミッドウイークでは、余計にそれが難しくなる。献身的なプレーの後では、当然消耗もあるからだ。

 ただでさえ、攻守の両立は難しいといわれる。守備に参加して相手を追い回し、その後で長い距離を走ってゴールに向かえば、疲労は足に蓄積して足元の精度を奪う。守備を重んじるイタリアでは伝統的に攻守の分業が許されたが、それはフィジカルにおける効率上の問題でもある。

「どれだけチームとしてフィジカル的にリカバリーできるか」

 ただ現代サッカーの流儀に則り、ミハイロビッチ監督は前線の選手にも守備の参加を要求する。それに応えつつ、さらに攻撃面での精度も要求されている本田だが、果たしてこのミッドウイークで体力は残っているのかどうか。

「今一番大事なことは、次の試合で連勝すること。時間は全然ないですし、どれだけチームとして、フィジカル的にリカバリーできるかということが大事になってくる」。本田は前節の試合後にそう語っていたが、これは彼自身についての発言なのかもしれない。

 対するウディネーゼは、今シーズンから監督がステファノ・コラントゥオーノに変わった。コラントゥオーノといえば、前任のアタランタで数々の番狂わせを起こした勝負師。攻撃面を考えながらも、相手のサッカーを綿密に分析し長所を消す戦術を整えてくる。いかに2トップを孤立させ、ジャコモ・ボナベントゥーラの動きを封じ、本田を潰すかについて策を練ってくることだろう。

 これらの条件を乗り越えて、攻撃面での結果を残すことができるか。正念場は続く。

text by 神尾光臣