Q:総コレステロールもLDLコレステロールも高いのですが、HDLコレステロールは低めです。最近、コレステロールの数値は高くても大丈夫と聞きました。どういうことなのでしょうか。コレステロール対策と併せて教えてください。(50歳・青果店経営)

 A:以前は、血中の総コレステロールが高いことが問題にされていました。それが高コレステロール血症です。
 ところが今では、その病名ではなく、脂質異常症という病名で呼ばれています。総コレステロールが高い人が生活習慣病を発症しやすいのではなく、総コレステロールの中身が問題であると分かったからです。
 コレステロールには、善玉のHDLコレステロールと悪玉のLDLコレステロールがあります。LDLコレステロールが高いと良くないのですが、たとえそれが高くても、善玉のHDLコレステロールも高ければ、バランスがとれており心配はいりません。

●ウオーキングの勧め
 脂質異常症には一般的に、スタチン系といわれる薬が処方されますが、私はこの薬を安易に処方しません。
 理由はまず、副作用が少なからずあるからです。横紋筋融解症といって、体の筋肉が破壊されて立てなくなります。この薬を服用していて急激な筋力低下を自覚したら、医療機関で血液検査を受け、筋肉が破壊されていないか調べなければなりません。
 もう一つの理由は、HDLコレステロールの増加作用がほとんどないことです。前述したように、LDLコレステロールとHDLコレステロールはバランスが大事です。スタチン内服後にLDLコレステロールが低下しても、HDLコレステロールが低いままでは意味がないからです。
 以前、朝夕各1時間のランニングを日課としている女子大駅伝部のメンバーは、HDLコレステロールが全員100以上であったと書きました。
 HDLコレステロールを増やすには、体を動かすしか方法はありません。HDLコレステロールが多いと、血管にこびり付いたコレステロールを取り込んで掃除してくれます。つまり、動脈硬化の退縮が期待できるのです。
 ぜひ、40分のウオーキングを週3回行うことから始め、動脈硬化を退縮させ、60歳の人は50代へ、50歳の人は40代へと若返りましょう。

牧典彦氏(小山病院院長)
自律神経免疫療法(刺絡)や加圧トレーニング、温熱療法、オゾン療法など保険診療の枠に捕われずベストな治療を実践。小山病院(大阪市東住吉区)院長。