加入条件は「僧籍を持つカープファン」で宗派は自由。開幕直後には本願寺広島別院にて合同観戦会が行なわれた

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今季のプロ野球、セ・リーグは近年まれに見る大混戦で最終盤に突入。

阪神、ヤクルト、巨人の3強を追うのが、春先には「優勝候補」といわれていた広島カープ。ここまでBクラスと低迷しているが、奇跡の逆転Vに向け強力な援軍がいるという。

『カープ坊主の会』と呼ばれる、カープを愛する宗教従事者で結成された応援組織です。広島で最大宗派とされている浄土真宗本願寺派の僧侶が中心で、昨秋の結成以降、どんどん会員を増やしているそうです」(カープファン)

そこで「カープ坊主の会」の実態を確かめるべく、代表である広島県の浄土真宗本願寺派・善福寺の藤哲哉住職を直撃した。

「元々は一昨年の秋、『親鸞聖人750回大遠忌(だいおんき)法要』のノベルティグッズとして誕生したキャラクターが『カープ坊主』でした。しかし昨年のオフ、黒田、新井らがカープに復帰して優勝の機運が高まったことで、今度は生身のカープ坊主も集まろうじゃないかと『カープ坊主の会』を発足させたんです」

その後、口コミやSNSで評判が広がり、現在では北海道から沖縄、海外にまで計113名の会員がいるという。

「現在は私たちの宗派以外にも禅宗、他派のご門主も参加されていますが、加入条件は僧籍を持つカープファンということのみ。宗派は問いません」(藤住職)

驚くべきことに、その門戸はキリスト教やイスラム教にも開かれているという。この会は有史以来、初めて人類が宗教を超えてカープの下にひとつになった歴史的事業なのだ。だが、その期待をよそに低迷を続ける今季のカープ。これは坊主たちの祈りが足りなかったから!? 前出の藤住職と安楽寺(あんらくじ)の登世岡(とよおか)住職に聞いた。

「いえ、すべては開幕ダッシュの失敗に尽きます。原因は抑えのヒースと一岡を筆頭とした中継ぎ投手陣の誤算でしょう。野手陣ではキクマル(菊池&丸)の不振、エルドレッドのケガによる出遅れも痛かった」(藤住職)

「キクマルも散々、打順をイジられたように今季のカープは毎日、猫の目打線。前日、大活躍した新井やエルドレッドをなぜか翌日外したり、壊滅的な守備と足のグスマンをレフト、ロサリオをライトで使う珍プレーシフトで球場を失笑させたり…まぁ、緒方監督も1年目。いっぱいいっぱいでパニクってたんでしょう」(登世岡住職)

もはや野球解説者顔負けの分析を披露するカープ坊主。カープの逆転V…とまではいかずともCS出場へのポイントは?

「カープは今季、相性の良い阪神戦を一番多く残しているのが強みです。18日から12連戦という最後の大勝負となりますが、9月2日の阪神戦で新井選手がホームスチールを決めたように、ここにきて緒方監督が掲げる積極的な走塁が見えてきたのは好材料です」(藤住職)

「新井の大復活はハッキリ言って奇跡です。帰ってきた当初はブーイングするファンもいましたが、ひたむきでがむしゃらなプレーを続けることでこれを大声援に変えた。そして男の中の男、Mr.レジェンド黒田もさすがの投球術でファンを魅了しています。今季、戻ってきたふたりのベテランが逆転Vへのキーマンでしょう」(登世岡住職)

ぶっちゃけ、他のチームが負けるようにお祈りしたりとかは…?

「『カープの勝利を願う』ことは『他チームが負けること、他チームのファンが悲しむことを願う』ということで、本来は仏教にあるまじき行為ですが…煩悩まみれの凡夫たる我々は、僧侶といえど『好きなモノは好き!』という自分勝手な生き方から離れることができません。だから、世俗の執着心を表に出して応援せざるを得ないのです!」(登世岡住職)

坊主たちが送るエールとお念仏は、カープを24年ぶりのVに導くか!?

(取材・文/村瀬秀信)