[AFC U-16選手権予選]U-15代表の守備の柱・CB瀬古が仲間たちと成し遂げた「シュートを0本に抑える」目標

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[9.20 AFC U-16選手権予選 U-15日本代表 7-0 U-15香港代表 ウランバートル]

 9月20日、モンゴルで開催されたAFC U-16選手権予選。U-15日本代表“00ジャパン”の掲げた目標は「相手を圧倒して勝つ」こと。その解釈は選手それぞれだったが、守備陣は第2戦を前にしてちょっと普通ではない目標を掲げていた。

「相手のシュートを0本に抑えること。それを意識して戦った」

 そう振り返ったのは守備の柱として2試合にフル出場したセレッソ大阪U-15のCB、瀬古歩夢だ。一方的に自軍がボールを支配する試合というのはDFやGKにとって逆に難しい部分も出てくるものだが、日本の守備陣は2試合を通じてスキらしいスキを見せず、常に相手の縦パスを狙って待ち構え、味方が破られる事態に備えてのカバーリングも怠らなかった。

 加えて際立っていたのは「声」だ。主将の右SB菅原由勢、GK谷晃生も含めて、常に後方からの声を絶やさずに味方をコントロールし、集中力を持続。持ち味である球際の激しさ、競り合いの強さも見せて相手にまるでスキを見せなかった。成し遂げられたシュート「0本」については森山佳郎監督も「どんなに力の差があろうと、サッカーで相手のシュートを0本に抑えるというのは並大抵のことではない」と称賛。2試合24得点と爆発した攻撃陣が素晴らしかったのは言うまでもないが、瀬古を筆頭とする守備陣が見せたクオリティーも最終予選以降に向けてポジティブな材料だった。

 そして瀬古は「守るだけ」の選手でもない。後半30分にはC大阪U-15の僚友であるMF鈴木冬一のFKにニアで合わせてゴールを奪い、さらに再三にわたって危険なロングフィードで味方を走らせ、相手ディフェンスラインの脇を脅かし続けた。本人は「パスの精度がまだまだ」と謙遜するが、味方DFに「下げるな!運ぶぞ」とGKへの安易なバックパスを戒めつつ、強気でボールを持ちだして狙いを持ったパスを通すなど、ビルドアップでも際立つ存在感を示した。

 大会中、森山監督からは無名選手から努力に努力を重ねて這い上がった中澤佑二のエピソードを聞かされた。この世代にも、瀬古のポジションを奪い取らんと努力を重ねている選手が日本中にいるというイメージは自然とできた。ここから始まる新たな競争に向けて、「絶対に負けないように、もっともっともっと努力しないといけない」と気を引き締め直すことも忘れていない。

(取材・文 川端暁彦)