<ANAオープン 最終日◇20日◇札幌ゴルフ倶楽部・輪厚コース(7,063ヤード・パー72)>
 国内男子ツアー「ANAオープン」は、今季国内ツアー初参戦の石川遼がトータル16アンダーでツアー通算12勝目を挙げた。24歳として初めて迎えた大会での勝利。最後まで攻め続けたプレーは石川遼からのメッセージでもあった。
最終日のプレーをフォトギャラリーで振り返る!
 3シーズン目となったPGAツアーでの今季は最終戦までシード確定がもつれ込むなど苦しんだ。スイング作りに方向性を失って、「全米オープン」前にはスイング改造にも着手。体重移動を多く使ってインパクトゾーンを長く保つというテーマに取り組んだが、結果は思うようについてこなかった。
 日本ツアーではドライバーの飛距離を武器に勝利を重ねたが、アメリカに渡って現実をつきつけられたのもまたドライバーショットだった。「ドライバーというクラブに魅了されて、日本ツアーでもドライバー中心にやってきた。だけど、アメリカにいってみて、自分のドライバーの飛距離と精度が大したことないんだなと思ってしまった」。
 ジェイソン・デイしかり、ローリー・マキロイしかり、300ヤード超えはザラ。その上で高い精度でフェアウェイをとらえてくるのがPGAツアーメンバー。「そこで、“負けるか”という気持ちで飛距離アップと精度アップに取り組めばよかった。ドライバーでミスしたらアメリカのツアーは罰が大きい。そこに自分的に気持ちで負けていた」。ドライバーへの思いを感じつつも、ティグラウンドではフェアウェイウッドやアイアンを握る回数は増えていった。
 ショットの正確性を突き詰めていく選択肢ももちろんある。今年の「全英オープン」を制したザック・ジョンソンはその好例。270ヤード台の平均飛距離ながら、アプローチとパターでゲームを作る。「バック・トゥ・バック・トゥ・バック・ザック」は、どんなところからでも粘ってバーディ、パーにつなげてくるジョンソンを評するときによく使われる言葉だ。
 だけど、石川が目指す方向性は違う。改めて気持ちを固めた。「この1年の自分のプレーをしていてはこれ以上は上にいけない。去年のプレーは10オーバーは打たないかもしれないけど、6アンダー、7アンダーもないっていうプレー」。大叩きはしないけど、どこか物足りない。なにより、やっている自分が楽しくない。
 だったら、予選落ちでもいいから攻めていく。「マキロイにしてもデイにしてもリッキーにしても、PGAの上の選手になればなるほど遊んでプレーしているように見える。自由に遊んでいる。それを見て周りも盛り上がる」。遊んでいるように自分のやりたいことを。この「ANAオープン」の272ストロークはこれからの自分を体現していた。
 「日本ツアーに出て、ギャラリーの方から“そのゴルフじゃあアメリカいってもなぁ”と思われるよりは、“ハマればアメリカで勝てるんじゃないか”と思ってもらえるようなプレーをしたい。アメリカのツアーで優勝を狙っていると伝わればいいなと。1人でも思ってくれれば嬉しい」。“アメリカでも攻めていく―”石川遼からのメッセージは皆さんに届いただろうか。
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