東京には、世界各国の郷土料理のレストランがたくさんある。それは地元出身者がファンになり常連さんになるほどの高いクオリティ!味も雰囲気もまさに本格的すぎるのだ!
スペイン・バルもその一つ。
絶対満足できる、選りすぐりの都内スペイン・バルをご紹介。



フォアグラとアナゴ、果物のミルフィーユ
※時期や仕入れ状況などによりメニューは異なる。写真は一例
『パイス バスコ』

銀座


バル好きの巡礼地、サン・セバスチャンを擁し、独自の言語や食文化を持つ、バスク地方。本店は、現地の三ツ星レストラン『マルティンベラサテギ』の看板メニューを再現してくれる。

特徴は「フォアグラ×アナゴ」など、意外性のある食材同士の組み合わせ。味わってみると、口中で互いの個性が混ざり合い、新たな風味が生まれる。また、忘れてはならないのがこの地方の地酒、チャコリ。香りを出すために、高い位置から注ぐというパフォーマンスも含めて、まずはこの店で体験を!



牛肉の煮込みと山羊のチーズ、カリンのジャム。いずれも、バスク地方の新潮流。組み合わせの妙に唸らされる、未知なる味わい。



温かみのある店内は、気の置けない仲間との会食に最適




料理はおまかせコースより。カピポタ(牛のホホ肉、スネ肉、ヒヨコ豆の煮込み)
※時期や仕入れ状況などによりメニューは異なる。写真は一例
『カタルーニャ厨房 カサマイヤ』

玉川学園前


バルセロナ郊外、家畜から野菜、卵まで、家族で育てた食材を使うホテル『エルス・カサルス』で腕を磨いたシェフがいるお店。「すべて現地流を通すわけではないが、自分にできるのはそこでの経験をベースにした料理だけ」と話す口調に迷いはなく、何とも清々しい。

素材そのものの風味にやさしくハーブの香りを重ねた料理は、幅広い世代のお客の味覚に柔軟に寄り添う。そこには技術だけでなく、現地で暮らした人だけが持つ、五感に刻まれたエッセンスが、ごく自然に落とし込まれている。



ブティファラ(ソーセージ)とトリンチャット(キャベツ入りマッシュポテト)、フライドエッグ添え



カラフルなタイル張りでスペイン風の店内




チョリソ、豚耳、豚足のパエリア(二人分※通常はパエリアパンでの提供)
※時期や仕入れ状況などによりメニューは異なる。写真は一例
『アロセリア サル イ アモール』

代官山


「郷土料理は誕生した土地の気候や文化、すべてを反映した『満点』の存在。心底ほれ込んでいるから、余計な事は一切できない」と語る、同店のシェフ。

その情熱を鮮やかに映す一皿はどれも骨太で、弾けるようなパワーで直撃してくる。しかし、食べ手の肩の力をぽんと抜いてくれる気さくさに溢れているのも、郷土の素朴な味わいならでは。本格的などという説明は、もはや不要。心を開いて、理屈抜きでただ体感するのが、この店の唯一の攻略法だ。



カジョス・ア・ラ・レオネサ。カスティジャ・イ・レオン地方のハチノスの煮込みは、トロ産のワインと



暖色系の店内に、かわいらしくも情熱の赤で飾るスペインスタイル


まだまだ続く、スパニッシュバル



マル・イ・ムンタニャ。海と山を意味する料理名通り、海老と小型の地鶏との組み合わせ
※時期や仕入れ状況などによりメニューは異なる。写真は一例
『フォンダ・サン・ジョルディ』

恵比寿


惜しくも2016年4月に調布へと移転した、スペインバルの先駆けである『ティオ・ダンジョウ』。その跡地の2階が、同店で腕を磨いたカタルーニャ出身のジョルディシェフの店として、リニューアル。

こちらの料理は、郷土性とモダンさ、オリジナルなアレンジのバランスが絶妙。しかも、塩気や油分のインパクトより、甘やかなコクと旨みを前面に出す、日本人が喜ぶツボをしっかり押さえた味わいだ。この名店が、さらに多くのファンを獲得することは、疑いようがない。



アロセジャット・デ・フィデオス(3〜4人分)パスタのパエリア





ボンバ(コロッケ)と豚肉、トマトのソース。昔ながらのバルの定番。
※時期や仕入れ状況などによりメニューは異なる。写真は一例
『カサ デ マチャ』

田町


毎日食べても飽きないようにとの配慮から、現地よりややソフトに仕上げるが、この味を信頼するスペイン人シェフのリピーター客も多いとか。注目すべき進化を遂げるのは新店ばかりではない。この店の真摯な姿勢に触れれば「まっとう進化」の真髄が見える。



タコとアボカドのミルオハ。現地では焼き野菜だが、大磯の露地野菜を生で使い、食感にアクセントを



スペイン国旗の色で彩られた壁面も




アーティチョークと生ハムのソテー。現地レストランの前菜の定番。
※時期や仕入れ状況などによりメニューは異なる。写真は一例
『ラ ルナ ジェナ』

若林


「スペイン料理は素材へのアプローチがシンプル。だから、火入れなど、“punto(プント)”(ちょうど)の瞬間を正確に捉えることが大事」と語る同店のシェフ。毎年、自らの味覚の軸を確認するため、スペインの地方を訪れては、伝統料理をストイックに食べ歩くそう。

おすすめは、定番の豆料理。現地で購入するというヒヨコ豆は、食感がしっかりしていて、丁寧に旨みを引き出したスープの風味をふっくらと含む。そのやさしくホッとする味わいは、異国の料理とは思えない親近感を抱かせてくれる。



ヒヨコ豆と鶏肉の煮込み。スペイン全土で食べられている豆料理。ヒヨコ豆は、特に中央部で一般的な食材。写真は料理の一例



カウンターは店のスタッフと和やかに談笑できるスペシャルシート