体内時計という言葉が知られるようになっていますが、いったいどのようなものかご存知でしょうか?睡眠に関連するもの、と思われがちですが、実はそれ以外にも私たちの健康を維持するために大切な働きをしているのです。

体内時計について復習!

人間の体は意識しなくても日中は心身ともに活動状態、夜間は休息状態に切り替わります。それは体温やホルモンの分泌、自律神経の調節など人体の基本的な生命リズムが24時間周期で繰り返されているからです。これを「概日リズム」といいますが、このリズムを調整する重要な役割を担っているのが「体内時計」なのです。体内時計は体のすべての細胞に存在していることがわかっていますが、特に脳の視床下部や眼球に存在していて、本来は1日約25時間のリズムを持っています。しかしこれでは1時間ずれてしまうため、外の明るさや暗さの情報を両目から感じ取って一日に1回、24時間のリズムにリセットすることで、朝から夜まで気持ちよく、そしてリズムのある生活を送ることができるようになっているのです。

なぜ秋にうつ症状が出やすいのか。

朝、日光を浴びることで体内時計はリセットされ身体が活動状態に導かれます。それとともに体内時計からの信号で睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンの分泌が止まります。メラトニンは目覚めてから14〜16時間ほど経過すると体内時計の指令で再度分泌が始まります。ちょうど夜間になる頃にはメラトニンの分泌はマックスに高まり、それとともに深部体温が低下し身体は休息状態になることで、眠気を感じるようになるのです。

夏の間、夜更かしをしたり寝不足が続いたうえ、秋になって日照時間が短くなることで自律神経は乱れ、メラトニンがきちんと分泌されなかったり過剰に分泌されることで体内時計は狂っていきます。夜間に眠くならず覚醒し、朝や日中に疲労のため眠くなる。昼間に眠ってもメラトニンが分泌されない睡眠なので、身体は十分に休息できません。さらにメラトニンが減ると元気を維持する脳内物質のセロトニンも減ってしまいます。これが続くことで慢性疲労や睡眠障害が起こり、うつ症状が起こりやすくなるのです。

秋の憂鬱感を乗り切るにはどうすればいいの?

冬季うつも日光に浴びる時間が少ないことによって起こることがよく知られています。季節性の障害ならば深刻ではありませんが、そのままうつ病に移行しないためには体内時計をきちんと働かせることが大切です。

昼間は眠くても我慢して寝ないようにする、朝目覚めたらカーテンを開けて朝日を浴びるなどの方法がありますが、朝日があたらない、どうしても朝に目覚めない人は、ウェイクアップライトを使うのも良いでしょう。これは目覚まし時計にライトがついたようなもので、朝になると朝日と同じように徐々に明るくなり、体内時計のリセットに必要な明るさになります。睡眠障害の治療にも使われているもので効果が期待できます。心身ともに元気に秋を迎えましょう。


writer:しゃけごはん