自分で転がるサイコロ型探査ロボ「Hedgehog」の実験動画をNASAが公開

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NASAはサイコロ型探査ロボット「Hedgehog」の実験動画を発表しました。
この"サイコロ"は自分で転がったりジャンプすることができ、小惑星など他天体での調査に威力を発揮することが期待されています。

【ギャラリー】NASA探査ロボット「Hedgehog」 (12枚)

「Hedgehog」は、NASA のジェット推進研究所(Jet Propulsion Laboratory:JPL)とスタンフォード大学、マサチューセッツ工科大学(MIT)が共同で研究開発を続けている探査ロボットです。
JPLはこれまでにもガス惑星を漂う「Windbot」や 、テザー(ワイヤー)を命綱とする「Axel」など、ユニークな探査ロボットを発表しています。様々な地形に対応し、安定稼働できる探査ロボットの開発は一大テーマであるというわけです。

今回発表された「Hedgehog」、立方体をしたボディはまるでサイコロですが、各頂点から本体を保護するための突起が突き出している様は確かに「Hedgehog(ハリネズミ)」。
内部に3機のフライホイール(弾み車)を装備しており、これを回転させたりブレーキを掛けることにより任意の方向へ転がったりジャンプすることができます。
静止していた「Hedgehog」が自分で転がる様は生き物のように見えます。



では、なぜ「Hedgehog」はサイコロ型をしているのでしょうか。
これまで他天体を調査するには自動車を思わせるローバーが使われてきました。

しかし、低重力かつ不整地の環境下では、転覆してしまい操作不能になる可能性がつきものだったといいます。巨費を投じる宇宙探索ですから、こうした危険は少ないに越したことはありません。

「Hedgehog」は上下のないサイコロ型をしており、どの面が上になっても任務を続行できるのがメリットです。

今年6月に行われた低重力下試験では、アグレッシブに回転する「竜巻」機動も実現。これを使えば、砂の穴などにはまり込んだ時に自力で脱出できるのではないかと期待されています。

車輪を使わず自力で跳ね回らせるというコンセプトを実現するため、いくつかの多面体でテストしたところ、その中で最も効率が良かったということでサイコロ型に決定したそうです。
この形は組み立ても簡単で、宇宙船などに積み込む際にも都合がいいといいます。
従来型ローバーよりも比較的低コストで製造できる見込みであるため、将来的には宇宙船から多数の「Hedgehog」を散布するような使い方も構想されているとのことです。

プロトタイプは重さが約5kg。カメラや分光計といった実験機器を搭載すると9kgほどになると見られています。
2004年に火星に着陸し、現在も稼働を続けているローバー「オポチュニティ」の本体重量が約185kgといいますから、かなり軽くなる計算です。
試験では砂や脆い地面、氷上のような滑りやすい表面など、小惑星環境を想定した実験が行われ、充分な成果を収めたとのこと。
今後は指示なしに行動させることを目標に開発が続けられていくそうです。

サイコロ型ロボットが自分で転がったり跳ね回ったりする様には妙に愛嬌があるため、このコンセプトが家庭用ロボットなどに応用されても面白いかも知れません。