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京都大学は9月18日、チンパンジーをはじめとする類人猿がヒトと同様に一度見た出来事を覚えていることができることを見出したと発表した。

同成果は京都大学霊長類研究所の狩野文浩 特定教授らの研究グループによるもので、米科学誌「Current Biology」に掲載された。

印象的な出来事を1日以上の長期にわたって記憶する能力はヒト特有のものだと考えられてきたが、専門家の中では少なくとも類人猿には可能だとする主張と、同じ出来事を繰り返し経験しないと長期記憶を形成できないとする主張があり、意見が分かれていた。

今回の研究では、ボノボ6個体とチンパンジー6個体に動画を見せ、アイ・トラッキングによって動画を見ている時の目の動きを記録した。動画は、チンパンジー達にとってショッキングな出来事が途中で発生するという内容で、最初に見せた24時間後に同じ動画を見せた。実験の結果、チンパンジー達は2回目に動画を見た際に、動画中でショッキングな出来事が発生する場所を予測的に見たという。別の動画を用いた実験でも、類人猿が一度見た出来事を少なくとも1日隔てて覚えていることを示す結果が得られたという。

同研究グループは今回の結果について、ヒトの特殊性・優位性に対する従来の考えを再考する必要があることを示しているとしている。また、同実験で用いたアイトラッキングは、言葉を持たない動物やヒトの幼児の記憶能力やその他高度な認知機能を調べるために応用できる可能性がある。