ふじもと・のぶゆき  関西大学工学部卒。日興證券(現SMBC日興証券入社)、個人営業を経て、機関投資家向けのバスケットトレーディング業務に従事。1999年、日興ビーンズ証券設立時より、設立メンバーとして転籍。その後、日興ビーンズ証券はマネックス証券と合併。2008年カブドットコム証券に移籍、トレイダーズ証券、マネーパートナーズを経て現職。 Photo by Takeshi Kojima

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日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の郵政グループ3社の上場が11月4日に決定した。時価総額13兆円を超える大型上場にマーケットも大きく左右されそうだ。個人投資家は郵政上場をどう見たらよいのか。相場に詳しい藤本誠之・SBI証券シニアマーケットアナリストに聞いた。(聞き手/週刊ダイヤモンド編集部 小島健志)

――郵政グループ3社の上場が決定されました。今回の上場のポイントはどこにあるのでしょうか。

 まず、今回の大型上場がなぜ行われるのかを考えてみましょう。日本郵政はかんぽ生命とゆうちょ銀行の2社の株式をほとんど保有しています。その郵政は政府が株式を100%持っています。

 政府としては郵政株を売却して、東日本大震災の復興資金を得ようと考えています。それも数年に1回ずつ合計3回にわけて売却し、計4兆円もの財源に充てるつもりです。最終的に3分の1の株を保有し続ける意向です。

 今回の売却総額はおよそ1.4兆円と見込まれており、復興資金の3分の1規模となります。今後も株の売却を予定する政府からすると、すぐに株価が下がってしまっては財源確保ができずに困ってしまうことになります

 ここが通常の上場銘柄とは明確に異なる点です。政府には郵政の株価を簡単に下げてはならないという思惑があるのです。ここが一つ目のポイントです。

――今回は国内投資家に8割、うち個人投資家に9割が割り当てられる予定です。さっそくテレビCMも始まりました。

 そうですね、個人投資家に多く売りだされるのも特徴です。配当利回りは1.7%〜1.8%と高い部類に入ります。更に、これを上げる方針だという報道も出ています。その点からみれば、預貯金代わりに郵政グループの株を買う高齢者も少なくないでしょう。機関投資家による大きな売り買いがなくなる分、株価の変動幅は少ないかもしれません。

――しかしながら、郵政株の成長性には疑問の声も根強く残っています。

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