これほど日本スポーツ界の将来が楽しみな時はないかもしれない。

まだ成長途上の中高生ながら、すでに各競技で素晴らしい実績を残し、“規格外”と注目を集める新星がたくさん現れているのだ。

そのカギを握るのは「アフリカンジャパニーズ」だ。ナイジェリア人の父を持つ野球のオコエ瑠偉、父親はガーナの元サッカー選手という陸上短距離のサニブラウン・アブデル・ハキームが注目されているが、女子バレーにも驚異的な身体能力で活躍する選手がいる。

そのひとりが、やはりナイジェリア人の父を持つ宮部藍梨(17歳・金蘭会)。“次代の木村沙織”と呼ばれ、すでに日本代表デビューも果たした。

今年7月のワールドGPのイタリア戦で代表デビューすると、第2セットからの出場にもかかわらず18得点を挙げ、眞鍋政義監督に「イタリアのブロックを上からはじき飛ばせる選手は初めて」と言わしめた。

残念ながら、バレーW杯は腰痛でメンバー外となったが、ジャンプの最高到達点はすでに日本代表でも一、二を争う逸材だ。

彼女のポテンシャルをバレーボールライターの中西美雁(みかり)氏はこう解説する。

「身長181cmの彼女のジャンプ最高到達点は309cm。しかもまだ伸びています。ちなみに木村の最高到達点は304cmです。宮部は高さに加え、パワーも規格外。彼女のスパイクが床を打つ音は『ドカッ』『バコッ』と濁点がつき、ほかの選手とは明らかに違うんです。現在は大事をとって休んでいますが、東京五輪で主力になるのは間違いなく、回復次第ではリオ五輪出場の救世主になるかもしれません」

また、バスケットボール界には関係者が「NBAでプレーできる」と期待を寄せる「アフリカンジャパニーズ」の男子高校生も登場している。ベナン人の父を持つ八村塁(17歳・明成)だ。

身長198cmの八村は、昨年8月のU−17世界選手権で平均22.6得点を挙げ大会得点王に輝いている。この活躍がNBAに毎年のように選手を送り込むアメリカの名門大学の目に留まり、高校卒業後はアメリカに進学予定だ。

日本人初のWNBA(米女子プロリーグ)選手である萩原美樹子氏はこう語る。

「サイズ、身体能力のみならず、彼は非常にクレバーで状況に応じたプレーができます。インサイドでの得点はもちろん、アウトサイドからのドライブ、スリーポイントと得点パターンが増えているのも頼もしいです。アメリカで活躍するには英語力が必須ですが、そこさえクリアできれば大学での活躍、そしてNBA入りの可能性も十分ある」

日本では珍しかったものの、海外ではハーフの選手が活躍するのはいたって普通のこと。彼らには世界レベルの身体能力を武器に、大きく世界に羽ばたいてほしい。

(取材・文/水野光博)