これで、ますます難しくなった。9月15日、本拠地・マツダスタジアムでの巨人戦に勝利し、4位広島が優勝圏内に上昇してきたことを上位3チームの「ヤクルト、阪神、巨人」にアピールした。
 勝率はまだ5割ちょうど(同時点)。しかし、4チームのなかでもっとも勢いのあるのは、広島だ。前半戦は救援失敗が続いた中崎翔太(23)が豹変、彼の好リリーフが猛追撃を呼んだと言っても過言ではないだろう。
 「緒方監督はヒースをクローザーに予定してシーズンに入りました。そのヒースが期待に応えられず、中崎が代理クローザーに抜てきされましたが、同じく期待に応えられず、苦しんだ時期もありました」(プロ野球解説者)

 だが、これで広島の終盤戦は“難しく”なった。栗原健太(33)、東出輝裕(35)の両ベテランを一軍昇格させるタイミングを失してしまったのだ。
 当然、本人たちは否定するだろうが、両ベテランに相応しい“花道”が用意されると思われてきた。広島が優勝戦線に復帰できないまま終盤戦を迎えていれば、それも許されただろう。しかし、広島は残り16試合を総力戦で戦わなければならない。「苦しいときこそ、経験豊富なベテラン」という見方もあるが、9月14日時点で、栗原は27試合(42打席)、東出は21試合(21打席)にしか二軍戦に出ていない。当たり前の話だが、ベテランが二軍戦に出られる試合数は限られている。二軍は育成を目的としており、故障、不振で調整するベテランよりも若手優先で選手起用が行われる。栗原、東出ともに一軍戦の打席に立つ準備はまだ整っていないではないだろうか。
 「東出は兼任コーチの扱いとなっており、今季に一軍戦でも一度も守備に着いていません(同時点)。栗原は一塁の守備で8試合に出ただけ」(前出・同)

 14日、NPBは異例の謝罪会見を開いた。『阪神対広島戦』(12日/甲子園)で広島・田中広輔の打球を「フェンスを越えていない」と判定したが(三塁打)、改めてビデオ判定した結果、フェンスを越してその後方にあるワイヤーにあたって跳ね返っていたことがわかったと言う。広島にすれば、勝ちゲームを引き分けにしてしまったわけだが、「(シーズンの)結果が良ければ悪い話になる」(関係者)と、むしろプラスに捉えていた。
 広島は士気が高まっている。そのなかに経験豊富なベテランがいないのは寂しい限りだが…。