土星の衛星エンケラドゥス、氷層の下は一面の海と判明。生物発見へ期待

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土星の衛星エンケラドゥスの表面を覆う氷の下に、全球にわたり水の海洋が広がっていることが分かりました。探査機カッシーニが送ってきたデータの分析で判明したもので、核と表面の層の間に液体の層があり、表面が微妙に「ぐらついている」と説明しています。
 

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 エンケラドゥスの表面は光の反射率が非常に高く、氷でできていることが知られていました。また南極近辺からは頻繁に水蒸気の噴出があり、地下活動が活発で表面との間には比較的温かい水の層があるとされてきました。
NASA は、土星探査機カッシーニが送信してきた過去7年分のエンケラドゥスの観測データから、厚さ30〜40kmの氷の地表がわずかながら"ぐらついている"ことを発見しました。

地表のぐらつきは土星の重力によって発生しており、エンケラドゥスの公転より微妙に早くなったり遅くなったりしています。NASA は、この現象がエンケラドゥス内部の核と表面の堅い氷の間、全域にわたって液体の層、つまり地下海が存在することを証明していると説明します。この構造は生卵の黄身、白身、殻の部分を想像するとわかりやすいかもしれません。

地下海がなぜ凍らないのか、決定的な理由はまだわかっていません。NASAは可能性のひとつとして、土星の重力による星の歪みが、予想よりも多くの熱を発生しているかもしれないとしています。

ちなみに、カッシーニは10月28日にもエンケラドゥスへの接近探査を実施します。最接近時は50km弱にまで高度を下げ、噴出する水蒸気の観測などを予定しています。
  
水蒸気の噴出は地下海の底に、地球にあるのと同じような熱水噴出孔の存在を示しているとされます。また水蒸気の成分には摂氏90度以上の環境が必要なナノシリカが含まれており、生命を育む環境がある可能性もゼロではありません。28日の接近探査で、それらの謎を解明するさらに詳しいデータが採取されることが期待されています。