専門誌では読めない雑学コラム
【木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第21回】

 ようやく涼しくなった8月の終わり、待望のラウンドをしてきました。スコアはともかく、涼しいので気持ちよくプレーができて何よりでした。

 さて、今から5年後の夏、東京五輪が開催されます。ゴルフは、埼玉県の霞ヶ関カンツリー倶楽部が会場となる予定です。

 そのことについて、これから綴っていきたいと思いますが、さまざまな疑問点が浮き上がってきます。そこで、「会場は、本当に埼玉でいいの?」という点を含め、東京五輪におけるゴルフ競技の問題点について、みなさんも一緒に考えてみませんか。

 まず、日程です。真夏に埼玉でゴルフなんて、とても過酷ですが、五輪の開催はIOC(国際オリンピック委員会)の勝手な(?)リクエストで、7月中旬から8月中と決まっています。メジャースポーツがシーズンオフで、高額な放映権料を支払っているアメリカのテレビ局の事情、というのがもっともな説なのでしょう。まあ、この日程を受け入れないと、日本開催は認められないようだったので、仕方がなく、猛暑の中でやるんでしょうね。

 もちろん、他の多くの競技は、時間をずらしてナイターで開催したり、室内開催にしたりと、暑さ対策をとっていますが、ゴルフはそういうわけにはいきません。丸一日、炎天下で行なうことになるわけです。

 埼玉と言ったら、熊谷で最高気温40度近くを記録するようなエリアです。霞ヶ関カンツリー倶楽部は、本当に大丈夫なんでしょうか。

 北アイルランド出身のロリー・マキロイ選手なんか、未曾有の暑さを体験することになるかもしれません。ならば、その環境に慣れるためにも、事前に日本の試合に参戦してみてはいかがでしょう? なんて提案をしたくなります。

 それは冗談として、だいたい日本のプロツアーは、男子は試合数が少ないので、この時期はお休みです。女子のトーナメントは開催されていますが、軽井沢や北海道など、涼しいところでやっています。

 そうすると、やっぱりおかしくないですか? 東京五輪だけ、酷暑の中でやるなんて......。

 もともとの話、東京五輪は選手村も含めて、コンパクトなエリアで行なうのが、基本主旨でした。だから当初は、東京湾にある若洲ゴルフリンクスでやる話があったんです。あそこは、海が近いので、風が強くて、暑さもしのげるんじゃないか、と。ゴルフ場のスケールとしても、過去にプロのトーナメントを開催したこともあって、若干の改修で十分に対応できますしね。

 ところが、ふたを開けてみると、霞ヶ関カンツリー倶楽部に決定していたわけです。

 その経緯は、謎です。私は、まったく相談を受けませんでした(って、当たり前ですけど)。

 個人的な見解を言わせてもらいますと、霞ヶ関カンツリー倶楽部での開催については、やや不満があります。

 何より、東京五輪が終わったあと、みんながそこでラウンドするのか? というと、そう簡単にはいきませんから。霞ヶ関カンツリー倶楽部は、基本的にメンバー同伴でないと、ラウンドさせてもらえないコースです。

 一方、若洲ゴルフリンクスでやるとなると、話は変わります。パブリックコースですから、老若男女、誰でもラウンドできます。「わ〜い、五輪開催コースでプレーしたぜ!」と、みんなが未来永劫楽しめるのです。

 ゴルフ場の改修にしても、若洲ゴルフリンクスは、前述のとおりパブリックコースですからね、1年間クローズにしても、誰も文句を言いません。予算にしても、ゴルフ場を作ること自体、50億円とか言われていますから、改修なんて、せいぜい数億円。がんばっても、10億円程度で済みます。

 若洲ゴルフリンクスでやったほうが、プレーヤーも、ギャラリーも喜ぶのに、なんで埼玉の名門にこだわるかなぁ......。

 若洲ゴルフリンクスには18ホールしかなく、五輪の会場には「36ホールあるゴルフ場が理想」という意見もあります。「何かあったとき、代替えができるから」と言います。

 じゃあ、国際試合はみんな、36ホールあるコースでやっているの? マスターズのサブコースなんて、聞いたことないですよ。結局、それは屁理屈ですね。

 あと、若洲ゴルフリンクスでは、ギャラリーをたくさん呼べない、という話もありますが、ギャラリーは抽選で、ほどほどの人数が見られれば、別にいいじゃんって思いますけどね。会場に行けなかった人は、テレビで見て、後日プレーすればいいだけのことです。

 霞ヶ関カンツリー倶楽部は、過去にカナダカップ(ワールドカップの前身)開催コースであり、日本オープンも4度開催。まさに、日本のゴルフコースの総本山みたいな存在で、文句をつけようがありません。ただ、"猛暑ゴルフ"はどうするの? と聞きたいし、埼玉五輪じゃないんだから、「東京でやりましょう」と、私は思ったのです。

 とにかく、みなさんも、五輪に対して、エンブレムや新国立競技場を含めて、自分が思うこと、好きなことをどんどん言ってみてはどうでしょう。

 言うのは自由だし、国民主権って、ちゃんと憲法が保障していますからね。

【プロフィール】
◆木村和久(きむら・かずひさ)
1959年6月19日生まれ。宮城県出身。株式をはじめ、恋愛や遊びなど、トレンドを読み解くコラムニストとして活躍。ゴルフ歴も長く、『週刊パーゴルフ』『月刊ゴルフダイジェスト』などの専門誌で連載を持つ。

木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa