[AFC U-16選手権予選]5得点だけでは表せない、久保建英の見せた確かな進歩

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[9.16 AFC U-16選手権予選 U-15日本代表 17-0 U-15モンゴル代表 ウランバートル]

 16日、ウランバートルの人工芝ピッチの上でU-15日本代表はAFC U-16選手権予選の初戦でU-15モンゴル代表を17-0と、まさに「圧倒」した。そして、ゲームのマン・オブ・ザ・マッチは考えるまでもなく、一人の選手だろう。FW久保建英(FC東京U-15むさし)は5つのゴールだけではない確かな貢献で、チームを圧勝に導く原動力となった。

 まずは8分、重要な2点目を得意の左足で奪い取ると、16分には宮代大聖のゴールをお膳立て。さらに24分にはFKを直接決め、44分にも追加点。前半終了間際には「得意じゃないんです」と自らも笑うヘディングシュートでのゴールまで飛び出した。極め付きは5点目で、中村敬斗のパスをバイタルエリアで受けると、小刻みなタッチから相手DFを動かしてシュートコースを作り、精密なシュートでゴール隅へと射抜いてみせた。

「全部、決めなければいけない場面。味方が作ってくれたチャンスなので」と本人は謙虚に語ったが、決めるべき場面で決め切ることができるスキルと胆力を見せてくれたとも言えるだろう。

 また特筆すべきはチームプレーに徹し、黒子になることもいとわない姿勢を久保が示し続けたことだ。たとえば、後半12分の中村のゴールにつながったシーン。右SB菅原由勢のクロスに対して、久保は果敢にニアへ突っ込んでDFとGKの意識を引っ張ったうえでつぶれて、ファーに入っていった中村のゴールを演出してみせた。また16分での交代まで後方とも連動したディフェンスを持続し、モンゴルに反撃の糸口さえ与えなかった。

「初めて代表に参加したときに守備のことは言われたし、それはチームでも言われていることなので、自分で自分を変えようと思って、ずっと意識して取り組んできました」と本人が言うように、決して得意ではないことにも意欲的に挑戦してきた成果を出した。FC東京U-15むさしでのプレーでもそうだが、味方のために体を張って戦い、ときに潰れ役にもなる献身性をこれだけ技術のある選手が発揮してくれれば、チームの士気も上がるというもの。

「まず自分の武器を出して、そのうえで苦手なものにも自分からチャレンジしていきなさい」。森山佳郎監督がチーム結成から言い続けてきた言葉をこの14歳は意欲的に実践しており、それゆえの着実な進歩を見せつつある。

(取材・文 川端暁彦)