「この度、私国分太一は結婚することとなりました。」――今月11日、TOKIOの国分太一が3歳年下の元TBS社員との結婚を発表し、ファンを中心に大きく話題になった。14日の今日、MCを務める情報番組『白熱ライブ ビビット(TBS系列)』に生出演し、改めて結婚を報告した。

突然の結婚報告に驚いたのもそのはず。メディアを通さずに、ファンクラブ会員にメッセージカードを送ることで報告したからだ。ファン先行というあたりに国分の誠意やファンへの愛情を感じた。

TOKIOでは山口達也に続く二人目の既婚者となり、これまでファンの間で噂されていた「結婚は1グループにつき1人」という神話を覆した。昔からあまり変わらない風貌の国分も、気づけば41歳。一般的にいわれている結婚適齢期をとっくに過ぎているわけで、ちょっぴり遅めの結婚にアイドルの晩婚傾向が気になるところだ。

祝福の一方で、ちょっぴり複雑なファン心理

国分の幸せな報告を心から祝福する一方で、いま自分が熱をあげている自担(自分が応援しているメンバー)だったらと想像すると、やや複雑な心境になるのも正直なところ。

アイドルとファンは気持ちの上で距離が近い。特にジャニーズの場合は露出量が多く、引退や卒業もないので活動期間も安定して長い。中にはデビュー前からのファンで、思春期から大人への成長期を見守り、一緒に歩んできた人も珍しくない。きっと「自分が選んだ人」という点も大きいだろう、まるで身内のような存在に感じてくるのだ。

さらに応援にも時間とお金が必要になる。コンサートひとつ取っても、抽選でチケットを手に入れるところからはじまり、早朝からグッズ列に並び、夜行バスでの移動だって厭わない。いざ開始すれば楽曲やパフォーマンスだけでなく、言葉やしぐさ、襟足から靴のソールまでくまなくチェックしてしまうほど、あらゆる方向から好きなのだ。

そこへ週刊誌等による突然の熱愛報道……。複雑ではあるが、勝手な妄想を繰り広げてどうにかスルーすることはできても結婚報告というのは衝撃が大きい。

ファンといってもスタンスや心理状況、置かれている状況によっても違うので、大いに結構という人もいればファンをやめる担降りをする人もいる。しかし普段から多少なりとも心の拠り所になっている部分もあるので、無鉄砲に結婚報告をされても戸惑いは生じるものだろう。

どう報告するのがファンにとってショックが少ないのか

では、結婚をファンにどう伝えるのが理想的なのだろうか。
国分同様に、東山紀之や井ノ原快彦もファン宛にレターを送っている。井ノ原の場合は、まずコンサートツアー初日に、最後のMCで報告。安堵したのか本人はじめメンバーも涙したそうで、会場からは祝福の拍手がおくられたそうだ。しかし、中にはその場で泣き崩れた人、座席にうちわを置き去ったというエピソードも耳にした。その後に二人揃って記者会見に臨んだ。コンサートでの報告はファン先行ではあるものの、賛否両論だったようで、打ち明けるタイミングや場所の難しさを感じる。

一方、メディアにすっぱ抜かれる形での報告となったのが木村拓哉。単独でマスコミの前に立ち報告し、直後のコンサートでもしっかりと言葉にしたそうだ。当時28歳、人気絶頂だった頃のこと。お相手も芸能人というビッグカップルだけに、大きく話題になった。結婚後は、家庭的な雰囲気を一切封印し、アイドルとしてのスタンスを貫く活動スタイルでカバーしているように見える。

どんな形でもファンとしては衝撃が走るものだが、やはりファン先行での知らせは好感度が高い。そして国分のように、自身の番組できちんと、そしてさらりと報告するのが理想的といえそうだ。

20〜30代前半のアイドル絶頂期での結婚はなかなか一筋縄にはいかなそうだが、反対にある程度の年齢に達していれば、というのもそれはそれで心が痛む。まだ全員が既婚者というグループをみたことはないが、この先、誕生する可能性も大いにあるわけで、歳を重ねるごとに受け入れる心構えのようなものも必要かもしれない。

結婚報告を受けてSNSでは国分の結婚を多くの人が祝福していて、「結婚式場から作る?」などTOKIO大喜利がはじまったり、「城島リーダーもそろそろ」と矛先がリーダーに向けられたりと、ユニークな盛り上がりを見せた。これもTOKIOが長年の活動を通して作ってきた雰囲気があるからだろう。意図していたわけではないだろうが、アイドルの絶頂期から30代以降に向けて、少しずつ「アイドルであり一人の男」であることを刷り込んでいって欲しいと、これまた勝手な理想を持ってしまう。

今回の結婚報告も驚いたが、ファン先行ということで水面下で準備をすすめていたスタッフの口の堅さにも感心させられた。よく事前に情報が漏れなかったなというのが、結婚報告と同じくらい驚いたことだ。

(柚月裕実)