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名古屋大学(名大)は9月15日、富山県八尾地域の約2000万年前の地層から採取されたツノガイの化石を解析した結果、ツノガイは死後、数週間から数カ月以内に、周囲に球状に炭酸カルシウムが濃集・沈殿し、良好な保存状態を維持したまま、化石として保持される形成メカニズムを解明することに成功したと発表した。

同成果は、名古屋大学博物館の吉田英一 教授、同大大学院環境学研究科の山本鋼志 教授、氏原温 准教授、城野信一 准教授、丸山一平 准教授、淺原良浩 助教、岐阜大学教育学部の勝田長貴 准教授、名古屋市科学館の西本昌司 主任学芸員らによるもの。詳細は国際学術誌「Scientific Reports」(電子版)に掲載された。

太古の生物が化石になるには、長い年月が必要と考えられてきた。化石の中でも、「ノジュール」と呼ばれる球状炭酸カルシウム(CaCO3)の球状塊(コンクリ―ション)からは、保存良好な化石が産出されることが知られていたが、なぜ球状なのか、炭酸カルシウムが一点に集中(濃集)し、保存良好な状態となるのか、といった仕組みはよくわかっていなかった。

今回、研究グループでは、富山県の約2000万年前の地層から、多数のツノガイの化石を含んだ球状コンクリ―ションを発見。さまざまな解析を行った結果、化石を取り巻くコンクリ―ションのカルシウムと炭素は、ツノガイ軟体部の炭素と海水中のカルシウムとの拡散反応により形成されることが示されたほか、同反応によりコンクリ―ションが球状になり、炭酸カルシウムが一点に異常に濃集するというメカニズムを解明するに至ったとする。また、併せてこの形成速度が数週間から数カ月程度の速度であることも発見したとしており、これらのデータから、化石を含む球状炭酸塩コンクリ―ションに普遍的に適用できる形成速度ダイアグラムを表すことにも成功したとしている。

なお、研究グループでは、今回判明したメカニズムを応用することで、コンクリートの劣化防止や大規模地下環境利用に伴うメンテナンスフリーの長期的地下水抑制(シーリング)技術の開発などが可能になるのではないかとコメントしている。