9月15日、チャンピオンズリーグ(CL)グループリーグが開幕する。昨季王者バルセロナやレアル・マドリード、バイエルンを中心に、欧州王者をめざした戦いが繰り広げられる。だが、残念ながら今季は、その華やかな舞台に日本人選手が立つことはない。

 以下は今年7月14日に掲載した『選手の質のバロメーター。CLの舞台から日本人が消える日』(杉山茂樹●文)の一部である。その後、予選で日本人選手が所属するチームが敗れたため、予想は現実のものとなってしまった。


◆日本人とチャンピオンズリーグ(前編)

 2015〜2016シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)に、予選の結果次第では日本人選手が1人も出場しないことになる。しないではなく、できないといった方が適切か。

 W杯の予選突破確率は8割強。アジア枠が4.5もあるので、日本代表のスタメンクラスなら、W杯本大会にはほぼ出場できる。だが、もう一つの世界最高峰の戦い、CLはそうはいかない。日本代表の看板は何のアドバンテージにもならない。W杯で言うところのアジア枠のような、履かせてもらえる下駄もない。純粋に個人の力が試される場だ。そこに日本人選手が1人もいないという現実が、いま訪れようとしている。

 そうなれば、05〜06シーズン以来、10シーズンぶりの出来事になる。

 CLの舞台に何人送り込めているか。それはまさしく、その国の選手の質を示すバロメーター。よい選手の数そのものだ。運不運がつきまとうW杯の成績より、厳粛に受け止めるべき現実になる。

 13〜14シーズンの後半、CL本選に出場した選手を送り込んでいる国の数を調べてみた。結果は67ヵ国。1位はスペイン。4人を送り込んでいた日本の順位は、ウェールズ、セネガルとともに33位タイだった。

 とはいえ、このランキングでは、地元欧州勢にアドバンテージがある。自国のクラブが本大会に出場していれば、出場選手の数も自ずと増える。というわけで、外国のクラブから出場した選手(スペイン人ならスペイン以外のクラブから出場した選手)で集計してみた。

 1位ブラジル(47人)、2位スペイン(27)、3位アルゼンチン(26)、4位フランス(20)、5位ベルギー、セルビア(各14)、7位オランダ(13)、8位ポルトガル(11)、9位ウルグアイ、スウェーデン、カメルーン、イタリア(各8)......。4人(内田篤人、本田圭佑、香川真司、宮市亮)の日本は、トルコ、セネガル、ウェールズと並んで、26位タイだった。

 33位タイと26位タイ。中間を取ればだいたい30位。チャンピオンズリーガーが4人いてもこの数字だ。日本と肩を並べるセネガル、ウェールズは、2014年ブラジルW杯本大会には出場していない。日本も、アジアの緩い出場枠がなければ、本大会に出場できたかどうか怪しい。そう考えるのが自然だ。

 ちなみに日本の4人という数は、11〜12シーズンと並び、これまでの最大値。それが来季からゼロになる。時計の針が、10年前に逆戻りする。いや15年前というべきかもしれない。

 日本人初のチャンピオンズリーガーが誕生したのは14年前。01〜02シーズンだ。

 小野伸二と稲本潤一。当時21歳だった日本代表選手2人が、このシーズンを前に、欧州へ旅立っていった。小野はフェイエノールト。稲本はアーセナル。両チームとも、前シーズンの国内リーグの成績は2位。CLの本選へストレートインする権利を持っていた。

 CLの前身、チャンピオンズカップには奥寺康彦さんが1FCケルン時代に出場していた(78〜79)。しかし92〜93シーズン、チャンピオンズリーグに改称されてからはゼロ。日本人には遠い存在だった。

 もう一つの世界最高峰の戦いであるW杯では、98年フランス大会が初出場。01〜02シーズンの翌年には、日韓共催W杯が控えていた。チャンピオンズリーガーの出現は、個人の力を世界に示す意味でも、また、団体と個人のバランスを保つ意味でも、待ち望まれていた。世界に知られた顔が代表チームに何人いるか。その数が多いほど箔がつく。存在感は高まるのだ。

 可能性が高いと思われていたのは小野だった。スタメンに近い選手として扱われていたからだが、「初」の栄誉を手にしたのは稲本だった。グループリーグ第2節、対シャルケ04戦。稲本は右のサイドバックとして、その後半の途中から出場した。小野の出場はその翌週。対バイエルンとのホーム戦に後半、途中出場を果たした。振り返れば快挙である。当時の彼らが備えていたような勢いを持つ若手は、いま見あたらない。

(全文を読む>>選手の質のバロメーター。CLの舞台から日本人が消える日)
http://sportiva.shueisha.co.jp/clm/wfootball/2015/07/14/post_815/


 上記の記事で示した懸念が現実のものとなってしまった今、日本のサッカーファンが望むのは、今季、欧州の各クラブに所属する日本人選手が活躍して、所属チームの順位をCL出場ラインにまで引き上げてくれること。そんな期待に応え、来季のCLの舞台に立つ選手ははたして何人いるだろうか。