東京都感染症情報センターはこのほど、8月24〜30日の期間中の感染症情報を公開した。

同センターは、医師・獣医師に全数届け出を求める「全数把握対象疾患」などの報告数を定期的に公開している。同報告によると、今年の35週(8月24〜30日)の期間中、東京都で新たに「人食いバクテリア」とも呼ばれる「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」の患者が1人確認された。これで今年の東京都の保健所での受理数は累計47に達し、全国の報告数は299となった。

国立感染症研究所によると、同感染症の過去最多の患者数は2014年の270人で、今年は既にこの数字を上回っていることになる。毎年100〜200人の患者が確認されているが、そのうち約30%が死亡していることから、「きわめて致死率の高い感染症」(国立感染症研究所)だ。

劇症型溶血性レンサ球菌感染症はレンサ球菌によって引き起こされ、同感染症の患者の傷口への直接接触によって感染するとされている。

東京都感染症情報センターによると、通常はレンサ球菌に感染しても症状が出現しないことも多く、ほとんどは咽頭炎や皮膚の感染症にとどまるという。だが、まれに通常は細菌が存在しない血液や筋肉、肺などの組織にレンサ球菌が侵入し、急激に症状が進行する重篤な疾患になるとのこと。

初期症状としては、発熱や悪寒などの風邪に似たような症状や、手足の痛み・腫れなどが見られる。発病から病状の進行が非常に急激かつ劇的で、筋肉周辺組織の壊死(えし: 組織が死滅すること)を起こすケースもあることが、「人食いバクテリア」と呼ばれるゆえんとされている。場合によっては血圧低下や多臓器不全からショック状態に陥り、発病後数十時間で死に至ることも少なくないという。

劇症型溶血性レンサ球菌感染症は、子供から大人まで広範囲の年齢層に発症する点も特徴の一つ。そのため、同センターは「傷を清潔に保ち、創部の発赤や腫脹、痛み、発熱など、感染の兆候が見られた場合には、直ちに医療機関を受診してください」と注意を呼びかけている。

全国的な患者数増加を受け、Twitter上では

「人食いバクテリアの患者数が過去最多って何それこわい」

「人食いバクテリアとか恐ろしすぎだ」

「風邪みたいな症状って 今ドキは人食いバクテリアとかあるから」

などの不安な声があがっている(コメントは原文)。