トーマス・ミュラー【写真:Getty Images】

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「一番大事な目標はタイトルだ。それは変わらない」

 チャンピオンズリーグの新たなシーズンが幕を開ける。レバークーゼンとボルフスブルクは勝ち点の獲得を狙っており、バイエルンは欧州制覇を明確な目標として捉えている。一方で、昨季ブンデスリーガ3位で終えたボルシアMGは開幕からリーグ4連敗と絶不調。その中で強敵ぞろいの“死の組”を迎えることとなる。

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 死のグループが近づいている。2015年9月13日付の『ビルト』日曜版に対して、ボルシアMGのマックス・エーベアルSDがコメントを残した。

「我々は“情け容赦のない時間”を控えている」

 15日、チャンピオンズリーグの15/16シーズンが幕を開ける。ドイツから参戦するのは、バイエルン、ボルフスブルク、ボルシアMG、レバークーゼンの4チームだ。

 昨季はベスト4に終わったバイエルンは、16日にギリシャでオリンピアコスとの初戦を迎える。14日付の『キッカー』誌にトーマス・ミュラーは「一番大事な目標はタイトルだ。それは変わらない」と話した。

 バイエルンは優勝を狙う。12日には、アウクスブルクを後半のアディショナルタイムにようやく突き放すなど、リーグ戦では波に乗り切れていない。それでもオリンピアコスとの力関係を考えれば、初戦は問題ないだろう。

 ミュラーは、初戦というものに対して「いつもとりわけ難しいものだ。その後の方向を示すものだからね」と考えている。だからこそ、バイエルンは勝ちに行くのだ。

 ボルフスブルクとレバークーゼンについても同じことが言えるだろう。ボルフスブルクは15日にCSKAモスクワと、16日にレバークーゼンはバテ・ボリゾフとの初戦を控えている。ボルフスブルクは09/10シーズン以来の参加となる。CLの常連であるCSKAモスクワに苦戦するかもしれない。

4連敗、2得点11失点…躍進遂げた昨季の面影なきボルシアMG

 バテのアレクサンドル・フレブは、CLを「素晴らしい体験」としながらも「現実を見なければならない」と『キッカー』誌に語る。かつてアーセナル、バルセロナを転戦したフレブが言うように、ベラルーシ王者とレバークーゼンとの間には力の差がある。

 デ・ブルイネがマンチェスター・シティに、ソン・フンミンがトッテナムに移籍するなど、主力が入れ替わったボルフスブルクとレバークーゼンも、リーグ戦では今ひとつ軌道に乗っていない。それでも初戦をホームで迎えるアドバンテージがある。勝ち点を得る可能性は高い。

 このようにCLの開幕に胸踊る3チームに対して、背筋が凍る思いをしているのが、ボルシアMGだ。

 ブンデスリーガの開幕戦でドルトムントに0-4と粉砕されて、4連敗した。4試合で2得点11失点の最下位である。0-3で落とした11日のハンブルガーSV戦では失点の仕方も悪かった。

 1失点目:ヤンチュケのバックパスをラソッガにかっさらわれる/2失点目:CKからラソッガにヘッドで叩きつけられる/3失点目:GKドロブニーからのロングキック1本で裏を取られてミュラーに決められる。

 さらに64分のCKの守備の際には、味方ノルドヴァイトの肘が入って主将シュトランツルが負傷退場する。8週間の離脱となった。エーベアルSDは「どこからこんな不安がピッチの上にやってきたのか、理解できない」とこぼした。

CLで勢いを得られるのか

 泣きっ面の蜂のボルシアMGをCLで待ち受けるのは、昨季ヨーロッパリーグ王者のセビージャ、プレミア2位のマンチェスター・シティ、そしてイタリア王者のユベントスである。

 昨シーズンは敵地でバイエルンに勝利し、最終的にブンデスリーガで3位となった強さはどこへいってしまったのか。

『ビルト』日曜版は、ドイツ代表のマックス・クルーゼとクリストフ・クラマーを欠いたことを指摘する。前線から中盤へ動いたクルーゼと、中盤から前線へ動いたクラマーという運動量豊富な2人を、ボルシアMGは手放した。クルーゼはボルフスブルクで、クラマーはレバークーゼンでCLを戦う。結果論だが、2人はボルシアMGを支える“屋台骨”だった。

『ビルト』日曜版は「これまでのところルシアン・ファブレはクラマーとクルーゼの穴を埋めることができない」と記している。新戦力のシュティンドルは居場所を見つけることができていない。ドイツカップの1回戦=ザンクトパウリ戦で輝いたに留まっている。

 それでもCLの初戦は、情け容赦なくやって来る。15日、アウェイのセビージャ戦だ。シュティンドルは“初戦というもの”に対してミュラーと似たような考え方をしている。

 少し違うのは、CLで「勢い」を得てブンデスリーガに取り入れようとしていることだ。CLで良い流れを得て、リーグ戦で絶望の淵から抜け出す。そう描いているのはシュティンドルだけではないだろう。

「チームは分かっている。セビージャに対抗できるということを」

 ドイツ勢は、昨季に続き4チーム全てが決勝トーナメント進出となるか。欧州最高峰の舞台は15日に始まる。とりわけボルシアMGは、早くも究極を迎えることになる。

text by 本田千尋