◆9月特集◆
優勝か? 失速か? 阪神タイガースの秋(3)

 球団創設80年を迎えた阪神だが、これまで日本シリーズに進出したのは6回。日本一になったのは1985年の一度きりで、2年連続出場の経験はない。宿敵である巨人は、日本シリーズに進出すること36回。日本一は"V9"を筆頭に22回もある。

 ここで過去6度出場した阪神の日本シリーズの戦いを振り返ってみたい。

1962年 対東映 2勝4敗1分

 2リーグ制導入から13年目にして初の日本シリーズ出場を果たす。阪神は2連勝、3戦目は引き分けと優位に立つも、そのあと4連敗。エースの村山実は7試合のうち6試合に登板(先発が3試合)したが、力尽きた。

1964年 対南海 3勝4敗

 5戦目を終えて3勝2敗と先に王手をかけるも、6戦目をバッキーで落とし逆王手。第7戦はエースの村山実がシリーズ3度目の先発を果たすも、初回、野村克也に先制の2点二塁打を打たれ、結局0−3で敗戦。悲運のエース村山は0勝3敗だった。

1985年 対西武 4勝2敗

 21年ぶりの日本シリーズ出場を果たし、日本中が"阪神フィーバー"に沸いた。2勝2敗で迎えた第5戦、阪神は掛布雅之のホームランで先制すると、その後も効率よく得点を加え快勝。そして第6戦も初回に長崎慶一の満塁本塁打が飛び出すなど、打撃で圧倒。MVPとなったバースは、4本塁打、9打点と凄まじい活躍を見せた。

2003年 対ダイエー 3勝4敗

 歓喜の日本一以来、実に18年ぶりの日本シリーズとなった。阪神は敵地・福岡で2連敗を喫するも、甲子園に戻り3連勝で日本一に王手。しかし、再び福岡で連敗を喫し、2度目の日本一はならなかった。シリーズ終了後、星野仙一監督は健康上の問題を理由に辞任した。

2005年 対ロッテ 0勝4敗

 2年ぶり日本シリーズ進出を果たし「黄金時代の到来や」と喜んでいた阪神ファンにとっては、まさに悪夢のようなシリーズとなった。初戦を1−10で落とすと、2戦目は0−10の完封負け。地元・甲子園に戻ってもロッテの勢いは衰えず、第3戦、第4戦を落とし、まさかの4連敗でシリーズ終了となった。

2014年 対ソフトバンク 1勝4敗

 シーズンを2位で終えるも、クライマックス・シリーズ(CS)を初めて突破し、9年ぶりの日本シリーズ進出を果たす。CSで6連勝するなど勢いは最高潮だったが、初戦に勝利したのみで、その後はあっけなく4連敗。力の差をまざまざと見せつけられた。

 こうして阪神の日本シリーズを振り返ってみると、野球の持つ"連続性"の面白さにあらためて気づいたのであった。もし今年、阪神が日本シリーズに出場することになれば、対戦相手は、ソフトバンク、日本ハム、西武、ロッテの4チームのうちのどれかだろう。そう、この4チームは過去に阪神が日本シリーズで戦った相手なのだ(東映は日本ハムの前身チーム)。

 ソフトバンクとなら、昨年のリベンジマッチとなり、日本ハムなら53年ぶりの対決。西武なら阪神が日本シリーズで唯一勝利したチームであり、そして日本シリーズでまだ1勝もしていない相手がロッテである。

 では今年、もし阪神が日本シリーズに進出した場合、30年ぶりの日本一に最も可能性が高いチームとの対戦はどこなのか。過去3年間の交流戦での対戦をもとに、相性の良さを探ってみた。

■ソフトバンク
2013年 2勝2敗
2014年 2勝2敗
2015年 1勝2敗
3年間通算/5勝6敗

■日本ハム
2013年 3勝1敗
2014年 2勝2敗
2015年 3勝0敗
3年間通算/8勝3敗

■西武
2013年 3勝1敗
2014年 1勝3敗
2015年 1勝2敗
3年間通算/5勝6敗

■ロッテ
2013年 3勝0敗1分
2014年 2勝2敗
2015年 2勝1敗
3年間通算/7勝3敗1分

 交流戦が苦手なセ・リーグにあって、阪神はなかなか立派な成績を残している。近年の数字だけを見れば、日本ハムとの対戦が理想というところだろうか。さらに言えば、藤浪晋太郎と大谷翔平という若きエース同士の投げ合いも見たいし、その大谷には今年、甲子園で土をつけているなど、苦手意識はない。

 とはいえ現実を見れば、パ・リーグを独走したソフトバンクが大本命だろう。交流戦の成績をみればほぼ互角だが、日本シリーズは前身の南海、ダイエーを含め3連敗中。昨年も勢いだけでは通用しないことを痛感させられた相手だ。

 ということで阪神ファンはパ・リーグのCSで日本ハムを全力で応援すべきだが、まずはその前に、シーズン3位以内を確保し、CSを勝ち抜かなければならない。30年ぶりの日本一の壁は高く険しいのである。

島村誠也●文 text by Shimamura Seiya