ディズニーの伝説的アニメータ、VRゴーグルで空間にアリエルを描く(動画)

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ディズニーで『美女と野獣』『リトルマーメイド』などを手がけたアニメーター Glen Keane 氏が、没入型の仮想現実ヘッドセットとコントローラで空間に線画を描く様子を披露しました。

続きに掲載した短編映像作品 Step into the Page では、キーン氏が全身を使って3D空間にアリエルやビーストを描くさまが見られます。

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Step into the Page は、物語と技術革新の関係を扱うイベント Future of Storytelling Summit のために撮影された作品。

VRヘッドセットとVRお絵かきアプリでディズニー・キャラクターを描く場面がハイライトではありますが、ただの技術デモ動画ではありません。キーン氏が著名な漫画家だった父から受け継いだ創作に対する姿勢 (" an artist's spirit is that freedom and fearlessness of being a child " 自由と、子供であることを恐れない心)について語り、ディズニーで38年間アニメーターを務めた大ベテランでありながら、仮想空間3Dペイントという新技術にもまるで子供のような驚きと喜びをもって取り組むさまを収めた、物語と技術についてのドキュメンタリー作品となっています。

キーン氏が着けているのは、HTC製のVRヘッドセット HTC Vive。3Dお絵かきは Tilt Blush というアプリで、こちらはGoogleが早々に買収しています。

製作者によると、Step into the Page の撮影に要したのは一日。キーン氏がTilt Blush を使うのは二度目だったとのこと。同氏は2012年にディズニーを退職したのちモトローラの先端技術開発部門 (買収で Google傘下) に移籍しており、これまでも新技術を使った実験的作品を積極的に手がけています。



3D空間にキャラクターを描くというと、描かれた対象が3Dモデルとなって動き出すようなイメージですが、キーン氏が描いたアリエルほかはあくまで線画。物体を二次元に投影した輪郭をさらに三次元に配置する、だまし絵や3D彫刻のような表現が新鮮です。キーン氏いわく、これまでも平面ではなく頭のなかでは立体感のあるキャラクターをアニメーションで表現しようとしていたため、3D空間に描くのは自然に感じる、しかし3D絵描きは平面に描くことや彫刻のようにまた独立した新しい分野であり、この表現に向けた技術の習得が必要になる、とのこと。