関連画像

写真拡大

国会の会期末が迫り、安全保障関連法案の審議が大詰めを迎えるなか、安保法案に反対する人々が9月14日夜、東京・永田町の国会前に集まり、大規模な抗議活動をおこなった。

国会前の歩道を埋めた群衆の前には、安保法案に反対する野党の政治家のほか、学者や作家、学生が代わる代わる立ち、スピーチした。

作家の大江健三郎さんは「日本人は憲法の精神に立ち戻るしかない」と発言。法政大学の山口二郎教授は「野党はいろんな手で抵抗する。メディアは批判するだろうが、安倍政権と気脈を通じたテレビや新聞に文句を言われる筋合いはない」と主張した。

●「青い警察車両」が国会前の車道を埋めた

集会が盛り上がりをみせた19時過ぎ、国会前交差点の道路に人があふれようとすると、警察官が一斉に動き出した。

警察車両も次々と移動し、ステージを取り囲むように停車し、車道を埋めた。国会議事堂と群衆の間には、数多くの警察車両による「青い壁」ができあがった。

聴衆は、交差点を挟んだ対岸にも集まっていたが、警察車両の壁に阻まれて、ステージは全く見えなくなった。

集会の主催者はステージ上から「この警察車両はなんだ!」「私たちは憲法上の権利に基づいて集会をしている。集会を車両で弾圧することが許されるのか。私たちは負けない。警察車両はただちに帰れ!」と叫んだ。

憲法学者の水島朝穂・早稲田大学教授は「憲法21条で表現の自由が認められている。このように平和的に行われている集会に装甲車両を出すとは何事だ!」「この警備は絶対おかしい。憲法学者が保障する」と強調した。

集会は20時を過ぎると、第1部が終了し、帰路につこうとする人もでてきた。しかし警備は解かれず、ステージ周辺は、帰宅しようとする人と、抗議を続ける人たちでごった返した。

20時20分ころには、ステージに上がった学生グループ「SEALDs」の奥田愛基さんが「帰りたい人がいるのに帰れないのは、どう考えても変でしょ」と述べて、「道を開けろ!道を開けろ!」とコールする一幕もあった。

(弁護士ドットコムニュース)