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36歳のさちです。結婚し独立した弟が1000万円近い借金を作っていました。銀行やクレジットカード、消費者金融から借りていたようです。私も家庭がありますし、両親は退職しており、借金返済に協力できる余裕はありません。弟には「親族を頼るな、自分で責任を持ちなさい」と言いましたが、家族には返済に協力する義務はないのでしょうか。弟の奥さん、子供たちに影響がないかも心配です。

(弁護士ドットコムの法律相談コーナー「みんなの法律相談」に寄せられた相談をもとに編集部が作成しました)

A. 家族が代わりに返済する義務はありません。

弟が知らぬ間につくった借金を、親や兄弟姉妹などの家族が代わりに返済する義務はありません。

しかし、夫婦間の債務のうち、夫婦生活上の必要性があってできた債務(日常家事債務)は、他の一方も連帯して責任を負うという規定があります(民法761条)。

借金のうち生活必需品や子の養育費など、『日常家事債務』の部分については、弟の奥さんが返済責任を負う可能性があります。

ただし、裁判所は、高額な借金を日常家事債務に含めない傾向にありますので、奥さんがすべてについて責任を負うことはないでしょう。

ただちに弁護士に相談するよう、アドバイスをしてください。

弟さんに『親族に迷惑をかけるな、自分で責任を持て』などと言うのは考えものです。

借金は犯罪ではありません。

弁護士に相談すれば、なんとかなるものです。

多重債務者を救うためにはいろいろな手段があり、弁護士費用を法テラスが立て替えてくれるときもあります。

【取材協力弁護士】
小松 雅彦(こまつ・まさひこ)弁護士
後見・相続・遺言を多数取り扱う。「気軽に相談できる、親しみやすい法律家」をモットーに身の回りの相談にも対応している。薬害エイズ事件やハンセン病国賠事件、薬害肝炎事件なども担当した。
事務所名:オアシス法律事務所
事務所URL:http://komatsu6.com/