その発言、「コミュハラ」かも!?

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性的嫌がらせの「セクハラ」、職場の権力を利用した嫌がらせの「パワハラ」、妊娠や出産をした女性への嫌がらせ「マタハラ」など、様々なハラスメントを表す言葉がどんどん増えている。嫌がらせ被害を訴えやすい空気ができつつあるが、「何でもかんでも問題視されてしまう」と嫌がる向きもある。

そんな「●●ハラ」に、また新たな言葉が登場した。人見知りだったり、会話などのコミュニケーションが苦手だったりする人へのハラスメント、「コミュハラ」なる表現が注目を集めつつある。

「被害妄想やばすぎ」批判意見も

「コミュハラ」が広まったきっかけは、2015年8月29日に投稿されたこんなツイートだ。

「コミュ障に対する『大人しいよね』『なんか喋ってよ』といったコミュハラ(コミュニケーションハラスメント)の被害を広めてゆきたい。これはハゲている人に『ハゲてるね』『毛生やしてよ』と言うようなもので、コミュニケーションモンスターは、これがいかに酷い言動であるか自覚すべきである」

これが1週間ほどの間に、約1万6000リツイートされ、お気に入りも1万件以上と話題に。

「コミュハラつらい・・・コミュニケーションモンスターこわい・・・」「バイト先でも中学の時にも言われたけど精神的苦痛すごかったよ」「今度から私に『なんか喋ってよ』って言ってきたら、コミュハラですのでよろしくお願いします」

など「被害者側」からのツイートもあれば、

「おとなしいね、でコミュハラなの 被害妄想やばすぎない」「コミュハラだ!とか騒ぐ人は表に出なきゃ良いと思う」「ハラスメントばっかりで生きづらくてハラハラするね!」

と批判的な意見もみられる。

「批判的な話題を一切しない」

「コミュハラ」という言葉自体には賛否あるが、人見知り、会話が苦手な同僚や部下がいるという人は、なるべく円滑なコミュニケーションを図っていきたいところだろう。

ウェブマガジン「Gow!Magazine」に、臨床心理士の石川裕理氏が説く「『コミュ障』なひととコミュニケーションを取る方法」が紹介されている(2012年7月13日)。

コミュ障の人の前で誰かについて批判的なことを言うと、「『いつ自分が批判されるかわからない』と身を固くし、あなたを恐れて距離をとります」として、「批判的な話題を一切しない」。

自分と似た態度を取る人には安心感が持て親密になりやすい心理傾向があるとして、話し言葉や仕草を同じにするなど「態度を類似させる」。

そして、人は接する頻度が高いだけでその人に対して好意度が増す傾向があるとして、頻繁に顔を見せたり近くにいたりするなど「『単純接触の効果』を利用する」、の3つが挙げられている。(MM)