世界から写真芸術の魅力を伝える60点が集結!原美術館「そこにある、時間」展

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時間を切り取ってメディアに定着させる「写真」。その特性をいかしたさまざまな表現で、「アート」としての写真の魅力を再認識できる展覧会が、ハイセンスな展示に定評がある原美術館で始まる。写真好きな女子は注目して。

2015年9月12日(土)から2016年1月11日(月・祝)まで、品川区の原美術館で開催される「そこにある、時間―ドイツ銀行コレクションの現代写真」。質量ともに世界屈指と言われるドイツ銀行の現代美術コレクション約6万点の中から、1970年代以降に撮影された世界各国の約40組、60点の作品が展示される。

アジア・アフリカ・アメリカ・ヨーロッパなど、それぞれに文化や社会環境の違う中で、個性的な表現を見せるアーティストたちの作品が並ぶ。国際的に知られるヨーロッパの作家や、近年注目を集めるアジアの作家など、プロフィールのバラエティも豊か。

上の写真は、中国の女性アーティスト・曹斐 (ツァオ フェイ) の作で、中国のとある工場で従業員にインタビューした「夢」の姿を表現したものだそう。ドレス姿で踊る女性は、ダンサーを夢見ているのかもしれない…など、いろいろな人生のストーリーが想像できそう。

映像作家としても活躍する日本人アーティスト・やなぎみわは、「My Grandmothers(私のおばあさん)」という異色のシリーズを出展。

「こちらは、実在の女性をモデルにしながら、本人をそのまま撮るのではなく、その50年後の姿を表現した作品。50年後のGrandmotherの姿を特殊メイクなどで表現しているのですが、不確定な未来が写真となって記録されるという面白さがあります」と、学芸員の安田さん。


アート系の写真が多いけれども、ジャーナリスティックな写真も。アルジェリア出身のゾーラ・ベンセムラは紛争地域などで活動を続けるアフリカ系の女性ジャーナリスト。空を見上げるアフガニスタンの子供たちの、いきいきとした表情が印象に残る。

「子供たちが見上げているのは戦闘機ではなく、実は玩具を配る米軍機だそうです」(同)


また、ドイツの女性アーティストであるアネット・シュトゥートの作品「記憶」は、写真の中に実物や写真が同時に存在して、リアルなのに、どこかシュールな味わいがある。

今では、私達の生活と切り離せないものになっている「写真」。世界のアーティストが切り取ってきた「時間」と、その多彩な表現を目にすれば、「写真」がもっと魅力的に感じられるかも。

トップ画像:曹斐 (ツァオ フェイ) 「自分の未来は夢 にあらず 02」 2006 年/120 x 150 cm/C プリント
(C)Cao Fei / Deutsche Bank Collection
上:やなぎみわ 「My Grandmothers: MINEKO」 2002 年/87.5 x 120 cm/C プリント
(C) Loock Galerie / Deutsche Bank Collection
中: アネット シュトゥート 「記憶 」 2004 年/180 x 250 cm/C プリント
(C)Anett Stuth / Deutsche Bank Collection
下:ゾーラ ベンセムラ 「アフガニスタン」 2009 年/61 x 85 cm/C プリント
(C)REUTERS/Zohra Bensemra / Deutsche Bank Collection