フィチン酸。あまり聞いたことのない栄養素ですが、このフィチン酸が悪者か否かで熱い議論が巻き起こっています。いったいどういうことなのか、最新情報について調べてみました。

フィチン酸とはどんな成分?

玄米のぬか層や穀類の種子のふすまに多く含まれる成分のひとつで、カルシウムやマグネシウムと結合したフィチンの形で存在し、胃の中で分解してできるのがフィチン酸です。非常に強い抗酸化作用があり、細胞を制御する働きがあるので老化予防やがんの抑制にも効くとされています。また、血液の凝固を予防する効果があることから血栓症のリスクを低下させたり、酸素運搬機能を強化し貧血にも効果があります。

フィチン酸は悪者なの?

なんだか体に良さそうな栄養素ですが、玄米ブームが起こった際に「フィチン酸は体内のミネラルを排出してしまうためミネラル不足になる」という情報が広まり、フィチン酸を摂ると早死にするとまで言われました。これは、フィチン酸のミネラルを結合(キレート)して体外に排出する能力のことです。毒素や重金属を排出するデトックスの効果があるのですが、一緒に亜鉛やマグネシウム等のミネラルも排出してしまうからダメだということなんですね。本当に体に良くないのでしょうか?

発芽玄米にすれば問題なし

フィチン酸がミネラルと結合して体外に排出してしまうのは間違いありません。しかし、全てを排出するわけではないのです。もともと玄米のフィチン酸はぬかのミネラルと結合したフィチンの状態で存在しているので体内で消化される過程でフィチン酸に還元されたりフィチンに結合したりを繰り返しています。全くミネラルを摂らないような食生活であればミネラル不足が心配されるかもしれませんが、通常の食生活でミネラルを摂っていれば、玄米を食べたからと言ってミネラル不足になるほどではありません。

一番効率よくフィチン酸の良い効果を得るには、発芽玄米にして食べること。玄米を浸水し発芽させることで玄米自身の力でフィチン酸が分解され無毒化し、栄養価の高いまま摂取することができます。発芽させると、血圧を安定させたり精神を安定させる効果があるというギャバの含有量が白米や玄米の数倍になるといわれます。そして、フィチン酸の酸素運搬機能強化による鉄欠乏性貧血の防止効果は女性の貧血の強い味方。また強力なデトックス作用もありますから、やはりフィチン酸は体に悪いとはいえません。気になるかたはまず発芽玄米から試してみてはいかがでしょうか。


writer:しゃけごはん