国立新美術館で、再評価が高まる女性アーティスト「ニキ・ド・サンファル展」

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2014年の秋にパリのグラン・パレで行われた大回顧展で、約60万人もの観客を集めて話題になった、戦後を代表する女性アーティスト、ニキ・ド・サンファルって知ってる? 2015年の春にはスぺインで巡回展が開催され、世界的にも再び評価が高まっているニキの回顧展が東京にもやってくるとか。芸術の秋、そんな注目の展覧会を楽しんで。

2015年9月18日(金)から12月14日(月)まで、六本木の国立新美術館・企画展示室1Eで開催される「ニキ・ド・サンファル」展は、国内史上最大規模の大回顧展。日本初公開の貴重な作品を含め、初期から晩年までの国内外の主要な作品を集めていて、出品数は100点を超えるそう。

1930年にフランスで生まれ、アメリカで10代の頃から雑誌のモデルなどをしていたニキは、アートの制作を通じて「戦争」や「人種差別」にも目を向けるようになったという。

彼女の名が知られるようになったのは、立体的な絵画に向けて銃を放つことで完成するという「射撃絵画」を発表した1961年。絵画と彫刻の要素を持つ作品は、制作する姿がパフォーマンス・アートの先駆けとしても高く評価されたことから話題に。

1965年以降、社会の中での「女性のあり方」に興味を持ったニキは、女性の立体像「ナナ」のシリーズをさまざまなバリエーションで発表している。

「ふくよかな体で、手をあげたり、足を広げたりしたナナたちは、解放的な印象を与える新しい女性像として多くの人々に愛されていきました。1967年以降は、素材にポリエステルを積極的に使用するようになり、より軽やかになったナナたちは、作家・ニキの代名詞となっていったのです」と、担当学芸員さん。

このほか、1965年に滞在先のニューヨークで公民権運動に関心を寄せたニキが、自由の象徴として制作した作品「クラリス」は、ヒッピー文化の影響も垣間見えるカラフルなドレスが特徴的な作品。

今回は、日本独自の展示として、20年以上にわたってニキと交流を続けたコレクターで、ニキの作品を日本で紹介してきたYoko増田静江さんとの絆にもスポットを当てているとか。増田さんからニキの作品を紹介されたという女優・演出家の木野花さんは、「何度も勇気づけられ、幸せになれた。ニキの作品には、不思議な治癒力があるとかってに信じている」(抜粋)と語る。

半世紀にわたって時代と向き合ったニキの作品から、豊かなアートの世界と女性観の変化をを体感して。