2020年の東京五輪開催に向け訪日外国人が増加傾向にあり、株式市場でも「インバウンド」関連銘柄に注目が集まっている。そうした中で株価上昇期待の高い銘柄について、ラジオNIKKEI記者・和島英樹氏が解説する。

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 年金マネーの買いが山場を超え、安倍政権の支持率低下で外国人投資家の積極参戦も考えにくいことから、東証1部の大型株にこれまでのような活況は見られなくなるだろう。そこで注目したいのは、個人投資家が好むような新興市場銘柄、あるいは1部上場銘柄なら小型株だ。

 もちろんテーマを持ち合わせていることが必須で、例えば、インバウンド(訪日外国人客)」関連でビジネスチャンスの拡大が見込めるような銘柄に目を向けたい。そうした観点から注目したいのが、ヒト・コミュニケーションズ(東証1部・3654)だ。同社は光回線やスマートフォン、家電などの営業支援を担い、従来型の人材派遣ではなく、販売・営業・サービス分野に特化した代行業(アウトソーシング)事業者である。

 現在は観光や小売り分野に力を入れ、特に観光分野では海外スタッフを積極登用し、多言語コールセンターを軸にインバウンド対応を強化。小売りでも、家電販売で外国人観光客に現地語で対応するサービスを展開している。2020年の東京五輪に向けて訪日外国人のさらなる増加が確実視される中、同社の手がける通訳ガイドや販売支援、多言語化のニーズはますます高まっていくものと見られる。

 業績は堅調で、今期(2015年8月期)は売上高が前期比14.7%増の255億円、営業利益が同4.9%増の20億円を見込む。売上高に比べて利益の伸びが鈍いのはインバウンド対応の先行投資などが要因と見られ、今後に期待したい。株価はいったん人気化して調整しているが、中長期的な業績拡大期待で今後上値を試す展開が想定される。

※マネーポスト2015年秋号