香川の2ゴールはチームに勢いをもたらし、ゴールラッシュを呼び込む流れを作った。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 ロシア・ワールドカップ・アジア2次予選のアフガニスタン戦で、日本は香川、岡崎が2得点ずつを挙げるなど6-0の大勝を収めた。久々のゴールラッシュを見せた日本代表のパフォーマンスを元日本代表の藤田俊哉氏は、どう評価するのだろうか。
 
 
 戦前の予想どおり、日本のワンサイドゲームになった。アフガニスタンは、シンガポールやカンボジアのように極端に引いた守備をしてきたわけではなかったから、日本は戦いやすかったんじゃないかな。
 
 ただ、いかなる試合でも大量得点は評価すべきことだし、アウェーゲームで6ゴールを奪うのは、どんな相手だとしても大変なことなんだ。
 
 本来ならば、ホームゲームよりもアウェーゲームのほうがプレッシャーはかかるものなんだけど、日本代表の場合は、もしかしたら、アウェーゲームのほうが伸び伸びとプレーできるのかもしれないね。
 
 アフガニスタンが政情不安のため、中立国のイランで戦えたことも追い風だったのかな。いずれにしても、選手たちの表情を見ていると、先日のカンボジア戦よりも硬さはなかったように見えた。
 
 そうしたなか、アフガニスタン戦の最大の収穫は香川真司が2ゴールを決めたことだね。カンボジア戦でもハリルジャパンになって初ゴールとなる1ゴールを決めて見せたけれど、こぼれ球をプッシュしたもの。しかも42分に無人のゴールに流し込むだけのビッグチャンスを外してしまったミスもあっただけに、彼自身も、もう少しすっきりとした形でゴールを決めたかったと思う。
 
 この2ゴールは日本の10番にとっても、チームにとっても、いずれも大きな意味を持っている。1点目は原口元気からのパスを受けてそのままシュートを突き刺したものだけど、「先制点」を香川が決めたことが大きい。どんな試合でも先制点はとても重要なゴールだ。
 
 これまで多くの場面で、相手ゴールをこじ開けていたのが本田圭佑だったけれど、今回はアウェーの地で、その大事な役割を香川がやってくれたのは素直に嬉しい。
 
 香川の2点目もまた特別な意味を持っている。この日の6ゴールのなかでも、それがとりわけ強く印象に残っているのは、ワンタッチのコンビネーションが上手くいった「日本らしい」ゴールだったからだ。
 
 やはり、テクニックという点では香川がチームのなかでナンバーワンだ。日本らしい攻撃の中心には必ず彼がいるべきなんだ。10番というエースナンバーを背負う人間は、常にチームに結果をもたらさなければいけないものだけど、しかるべき人間がしかるべき結果を出せばチームは明るくなるし、勢いが出てくる。そう改めて痛感させられたゲームだったと思う。
 ワールドカップの2次予選は、次のシリア戦で、折り返しを迎える。グループ首位に立つシリアとの一戦はとても重要な試合になることは間違いない。
 
 自動的に最終予選に進めるのは各組1位のみというレギュレーションなんだから、日本としては、最低でも「首位通過」をノルマとしておきたい。
 
 アフガニスタンに6-0で勝利したことは素直に喜ばしいことだけど、チームの目標は6ゴールを奪うことではなく、あくまで「首位通過」であることを念頭に置いて戦っていくべきだ。
 
 過去の予選を振り返っても、例えば僕もその一員だったジーコジャパンでは1次予選のアウェーのオマーン戦(◯1-0)がそうであったように、いかなるステージであっても、その後のターニングポイントとなる試合は必ずあるものだ。
 
 現在、日本の所属するグループHは、2強3弱の構図になっている。グループ首位は勝点9のシリアで、勝点7の日本が2位につけている。「首位通過」というノルマを達成するためには、ライバルとなるシリアを次の試合でしっかり叩き、前半を終えて首位に立っているという状況を作り出しておくことが、心理面においてもなにより重要だよ。