仕掛けや崩しの局面で大きく貢献した原口。大きな手応えを得たようだ。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 9月3日のカンボジア戦後のミックスゾーンで、右ウイングとして途中出場した原口元気は少し沈んだ表情でポツリと言った。
 
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「話すことはあまりないですね。なにもしていないですから。ひとつはなにかやってやろうと思っていましたが、残念です。左サイドなら内に切り込めたりもできるのですが……」
 
 まさか、このコメントをハリルホジッチ監督が聞いていたわけでもないだろうが、アウェーでのアフガニスタン戦、原口は左ウイングで先発した。そして開始10分にいきなり香川の先制点をアシストすると、以後も緩急をつけたドリブル、パスで攻撃にアクセントを付けた。
 
「(香川)真司くんや(長友)佑都くんの上がりを活かして、3人で上手く崩せました。やっていても手応えは掴めたかなと思います」
 
 自らゴールを決められなかったとはいえ、とりわけ仕掛けや崩しの局面でアピールできたという。
 
「ドリブルとか身体の調子はすごい良かったですし、チャンスメイクの部分でも良いイメージでできました」
 
 かつてはドリブル小僧の印象が強かった原口も、ドイツで揉まれてプレーヤーとしてひと回り成長した印象だ。
 
 現体制下で初スタメンにもかかわらず、プレッシャーを感じさせない柔軟なプレーで対応していた。
 
「いろんなアイデアを監督からもらっていますけど、どれを使うかは選手が判断するもの。この試合では僕がサイドで起点を作って、そこからという形が結構ハマっていたと思います」
 
 見逃せないのは、フル出場できた点だろう。酒井宏の交代後は不慣れな右SBに入るサプライズもあったが、なにより最後までピッチに立てた意義は大きい。原口はアフガニスタン戦でハリルホジッチ監督の信頼を間違いなく掴んだ。
 
 ハリルホジッチ監督の就任当初から左ウイングはスタメンがコロコロと入れ替わる、流動的なポジションだった。そこに原口が殴り込みをかけたことで、宇佐美と武藤で争われていた序列は一気に覆った。左ウイング・原口は、ハリルジャパンがここから成長するうえでひとつのキーポントになりそうだ。
 
取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)