2ゴールと結果を残した日本の10番だが、強い印象を与えたわけでは……。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 アフガ二スタン戦でゴールラッシュの口火を切ったのは、香川だった。本田や長友が「重要な仕事をした」と言うように、ミドルからの先制弾(10分)は価値ある一撃となった。まるでお祭り騒ぎだった相手サポーターを沈黙させた点でも、まさに重要なゴールと言えた。
 
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 試合後はホッとしたような表情で「良い形でシュートが打てた」と振り返った香川は、続けて「このレベルだからできたことですが、個人的には自信になりました。やはりアウェーの雰囲気は感じましたし、相手がボールを持った時には歓声もあったので。アウェーのなか、大差で勝てたのは良かったと思います」ともコメントしている。
 
 アウェー、しかもピッチコンディションの悪いなかで、49分にもゴールを決めるなど香川の出来は5日前のカンボジア戦よりも良かった。ただ、圧倒的なパフォーマンスだったかと言えばそうではないだろう。
 
 この10番にボールが渡ればなにかやってくれそうなオーラがいまひとつ感じられないのは、なぜか。カンボジア戦で1ゴール、アフガニスタン戦で2ゴールと、9月の連戦で本田(2点)や岡崎(2点)よりも多くネットを揺らしているにもかかわらず、その印象がそこまで強くないのはなぜか。
 香川ほどの才能の持ち主ならもっと出来るはずだと、そんな期待があるから“並の活躍”では称賛できない。実際、彼ほどボールタッチが柔らかい選手は日本にいないし、走りながらボールを受ける技術も一級品だ。だからこそ、要求は高くなる。
 
 アルゼンチンのメッシ、ブラジルのネイマールなどエースと呼ばれるスタープレーヤーは、ゴールを決めて当然という側面がある。日本代表に置ける香川の立ち位置は、彼らのそれと同等だ。つまり重要なのは、大きなプレッシャーに晒された試合で結果を出してこそ本物だということだ。
 
 ちょうど来月、日本代表はワールドカップ・アジア2予選で最大のライバルになるだろうシリアとアウェーで戦う。ここで香川が勝負を決めるゴールを奪えば、ひとつの殻を破れそうな気がする。
 
 どこか遠慮気味に、味方のプレーに合わせているように見える日本代表の香川にさして魅力を感じない。サポーターが望んでいるのは、言うまでもなくドイツで躍動しているKAGAWAだ。
 
 まるで二面性を持つかのように、日本代表では躍動感が失われるが、もっと注文して、もっと積極的にゴールを狙ってほしい。自己中心的なプレーをしろと言っているわけではなく、組織のなかで独自のカラーを出すところを代表戦でも見てみたい。
 
 アフガニスタン戦での2得点が“偶然”にならないためにも、シリア戦でのゴール、すなわち試合を決定付ける働きはノルマになる。
 
取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)