日本代表で左サイドの定位置を争う原口元気、武藤嘉紀、宇佐美貴史(左から)【写真:Getty Images】

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 近年の日本代表で強みは何かと問われたら、多くの人が「左サイド」と答えていたのではないかと思う。

 アルベルト・ザッケローニ政権下で左MFの香川真司と左SBの長友佑都がレギュラーに定着し、本田圭佑らとともに攻撃で大きな役割を担った。

 そしてヴァイッド・ハリルホジッチ監督は香川を本来のトップ下に戻し、岡崎慎司をストライカーで起用。これまで“武器”になっていた左サイドでは新たな若い選手たちによる三つ巴のし烈なポジション争いが繰り広げられている。

 カンボジア戦に先発した武藤嘉紀、アフガニスタン戦に先発した原口元気、いずれにも途中出場した宇佐美貴史。ヨーロッパでのプレー経験のある若い3人が未来の日本代表を背負うべくしのぎを削っている。

 アフガニスタン戦ではアタッカー陣で唯一ゴールがなかったものの、原口が切れのある仕掛けで存在感を発揮した。本人は「僕自身、もっとシュートチャンスに絡んでいきたかった」と反省点を口にしたものの「ドリブルとか体の調子はすごくよかったですし、チャンスメイクの部分ではいいイメージでできていた」と2年ぶりの先発起用で自信を深めた様子。

 後方から原口のプレーを支えた長友佑都も「元気はイキイキしていた」と、その出来栄えを称える。ハリルホジッチ監督も「原口はわれわれの組み立てをかなり丁寧にやってくれたし、かなりのことをもたらしてくれた」と、そのプレーを高く評価したが、まだ武器にはなり切れていない。

 本田が「最初のチャンスで決めることができたということが、乗れた理由、もちろんそれ以外にもあるんですけど、一番重要なのはやはり決めるべきところを決めた」とキーポイントに挙げた香川の先制点を演出したのは原口で、35分の森重真人のゴールの起点になったのは長友だった。

 それでもチームが勢いに乗った後半に入ると一気にトーンダウンして存在感が希薄になってしまう。「最後は体力的になかなか上がり切れなかった」と終盤の選手交代に伴って右SBに入った原口は振り返り、勝って当然の格下アフガニスタン相手に継続性を欠いたプレーを悔やむ。

「もう1点取るために出されていると思うし、そういう得点を作り出すことは狙っていた」と語る宇佐美が途中出場でアシストという結果を残し、ドイツで好調の武藤もピッチに立てば激しい寄せと強引な仕掛けで持ち味をアピールした。

 アジアの厳しい環境で“本物の武器”になるのは原口か、宇佐美か、それとも武藤か。大黒柱・本田が右からゲームを作り、左に求められるのはよりゴールに直結したプレーだ。

 もっと決定的な仕事をこなせるようになった者がポジションを掴む。3人ともまだその段階には至っていない。今後の戦いでチームを勝たせるために、左サイドの成長は不可欠なものになるだろう。再び日本の“武器”となる日まで。

text by 編集部