米国のゲームファンが故・岩田聡氏にありがとうメッセージ。北米最大のゲームショウPAX Prime 2015で

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今年の7月11日に55歳の若さで逝去し、早過ぎる死が全世界に悼まれた任天堂の故・岩田聡氏。ニンテンドーDSやWiiを送り出してゲーム市場を一変させた経営者としても、開発現場を支えて数々の名作を送り出したプログラマーとしても偉業が振り返られる故人を偲んで、北米最大のゲームショウの一つ・PAX Prime 2015にて感謝を捧げる垂れ幕が展示されました。
さる8月28日〜31日に開催された北米最大規模のゲームショウ・PAX Prime 2015にて、任天堂の故・岩田聡氏への感謝の意を込めた垂れ幕が展示されました。ちなみに、似顔絵にあしらわれている意匠の元ネタは「スーパーマリオ25周年」を記念して発売された『スーパーマリオコレクション スペシャルパック』です。

PAX Primeとはウェブコミックを展開する「Penny Arcade」主催による、米国でも最大規模を誇るゲームショウのこと(PAX=Penny Arcade Expoの略称)。主にEast(ボストン)、Prime(ワシントン州シアトル)South(テキサス)、Australia(シドニー)の年4回開催され、チケットもすぐに完売する超人気イベントです。特に8月に開催されるPrimeは、年末商戦に向けてプレイアブルなゲームを遊んでもらえる最後の機会だけに、ゲーム業界からも重視されている位置づけです。

【ギャラリー】岩田聡氏を振り返る (5枚)



一方で、本イベントは「ゲームに差別はない」をコンセプトに、他の家庭用ゲームや携帯ゲーム、PCゲームやボードゲームなどアナログゲームまで同じレベルで扱う点で、他のゲームショウとは異色の存在。また業界関係者に限られるE3と違い、全米からゲーム好きが集まり、コスプレを楽しむ「ゲームファンのお祭り」色が濃い催しです。

それだけに、岩田氏への垂れ幕も「ファンコミュニティを代表した真心」の性格が強いと言えます。以下、捧げられたメッセージ及びその和訳。

"The PAX Prime 2015 Community would like to acknowledge Nintendo's Satoru Iwata for his accomplishments and contributions," reads the banner. "Without him, we would not be the people and gamers that we are today. Thank you, Iwata-san. For everything."

「PAX PRIME 2015コミュニティは、任天堂の岩田聡氏の功績と貢献に感謝します。彼がいなければ、我々も今のようなゲーマーではなかったでしょう。岩田さん、全てにありがとう」


なお、似顔絵の下に付記された「Video games are meant to be just one thing: fun, fun for everyone(ビデオゲームはたった一つのことを目指します。全ての人の喜びのために)という引用は、GDC(Game Developers Conference、ゲーム開発者会議)2006の基調講演「Disrupting Development」(破壊的開発)
にて、締めくくりに述べられた岩田氏ご本人の言葉です。その講演を収録した動画は、GDCが故人を追悼して、YouTubeで全編を公開しています。


たとえ発音がネイティブには及ばなくとも、確かな実績を積み上げた人物が誠実に語りかければ温かな拍手で迎えられた一幕は、英語コンプレックスに悩みがちな我々にとっても勇気づけられる光景であります。様々な意味で、岩田さんありがとうございました。

岩田聡氏をゲームプログラマーとして振り返る連載「ゲームで辿る天才プログラマの軌跡」もぜひごらんください。

第1回:追悼・岩田聡氏。ゲームで辿る天才プログラマの軌跡 (1.初期ファミコン編)

第2回:追悼・岩田聡氏。ゲームで辿る天才プログラマの軌跡 (2. 後期HAL研編)

第3回:追悼・岩田聡氏。ゲームで辿る天才プログラマの軌跡 (3. 任天堂社長就任前後編