ヴァイッド・ハリルホジッチ監督【写真:Getty Images】

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 待ちに待った大量得点での勝利。日本代表はホームでの2連戦をシンガポール相手に0-0、カンボジアを相手に3-0で終え、結果への不満感が充満していた。

 しかし、アジア2次予選で日本からは大きく力も劣り、情勢不安でホームゲームが中立地開催となったアフガニスタンから大量点を奪うことにどれほどの意味があるのだろうか?

 各大陸と比べてもW杯へのハードルが格段に低いアジア予選。日本や韓国、オーストラリア、イランといった国々は絶対的強者として試合に臨むこととなるが、世界の舞台へ出れば180度立場が変わる。

 いわば、世界で結果を残すためには“強者の戦い方”から“弱者の戦い方”へとシフトすることが余儀なくされる。そして、アジア用の“強者の戦い方”を昇華させる方法が世界では全く通用しないことはアルベルト・ザッケローニ監督時代に証明されている。

 それでも、カンボジア戦後にミドルシュートの重要性について質問された本田は「サッカーは何でも新しいものに取り組めばいいというものではない。新しいものに取り組めば、前にできていたことができなくなるのがサッカー」と語った。

 世界で通用しなかった“自分たちのサッカー”から脱却するためには、すべてを変えなくてはいけないはずだ。

 ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は就任会見で「現代ではフィジカル、テクニック、タクティカル、メンタル面に関して高いレベルに到達しなければならない」とし、チーム発足当初は「球際での強さ」を繰り返し強調していた。

 つまりコンフェデ杯への出場権を持たない今回、2018年ロシアW杯で指揮官が目標とする「決勝トーナメントへの進出」を果たすために見続けなければいけないことは「アジア予選で何点取るか」ではなく「世界に出たときに通用するチームが作れているか」ということ。

 ヴァイッド・ハリルジッチ氏が監督を務める以上、それは「フィジカル、テクニック、タクティカル、メンタル面で高いレベルに到達」し、「球際の強さ」を発揮しているか否かということだろう。

 とはいえ、ハリルジッチ監督がアフガニスタン戦後の会見で「最近の対戦相手は、いずれも引いて守るチームだったので判断が難しい」と語ったように、ここまでの3試合で評価することは困難。この3試合は勝ったか否かという結果だけを評価すべきだ。

 次戦はアウェイ(中立地オマーン)でのシリア戦。この一戦は指揮官が「このグループで一番強い相手」とし、山口蛍が「自分たちが押し込まれる時間もあるというのは多少想像できる。その中で自分をどれだけ出していけるかっていうのをやっていきたい」と語ったように1つの試金石となる。

 そして、その結果をしっかりと見極めた上で、指揮官が「日本がどのようなレベルにあるのか考慮する必要がある。今後はさらにクオリティーが高い相手と戦うことになるので、それに向けた準備が必要となる」と語るように、選手やコーチはアジア予選で一喜一憂することなく世界基準のチーム作りをするための視点を強く持ち続けなければならない。

text by 編集部