「ネットワーキングの場を提供することが、このアワードの役割」岸田茂晴:CREATIVE HACK AWARD審査員からのメッセージ(5)

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CREATIVE HACK AWARDが立ち上がった2013年から一貫して、メインパートナーの立場で同アワードに参画しているワコム。液晶ペンタブレットを通じ、世界のクリエイティヴスタジオの最前線を知る彼らがCREATIVE HACK AWARDに託した思いを、審査員のひとりである岸田茂晴( Vice President, Business Solution Unit)に訊いた。

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岸田茂晴 | SHIGEHARU KISHIDA
ワコム Vice President Business Solution Unit
石川県輪島市生まれ。1994年、青山学院大学理工学部卒業後、日本電気に入社。2003年、米国サンダーバード国際経営大学院卒(MBA 国際経済開発専攻)。2006年、日本マイクロソフト入社。Windows事業開発やオンライン事業開発、パートナーマーケティングに従事。日本国際放送社外取締役を経て、2012年より現職。

CREATIVE HACK AWARD 2015とは?

──ワコムは、会社として「ハック」という言葉をどう捉えているのでしょうか?

ワコムは、クリエイターの方々に「道具を提供する」ことと同時に、「さまざまなかたちで触発する機会を提供する=インスパイアする」ことをミッションとして掲げています。ハックすることは、インスパイアするための重要な要素ではないかと思っています。

──CREATIVE HACK AWARDには、「アイデア部門」が存在します。液晶ペンタブレット「Cintiq」を始め、クリエイティヴツールのメーカーであるワコムにとって、「アイデア」とはどういう位置づけになるのでしょうか。

数年前、ドリームワークスをはじめいくつかのハリウッドのスタジオを視察したのですが、とにかく驚いたのが、ワークフローがきっちりとした階層になっており、グループできっちり役割分担がなされているということでした。人材が豊富だということもありますが、要はプロジェクトを運営するするプロがいる、ということなのだと思いました。「アイデアを出して実行する」ことが、ハリウッドにおけるクリエイティヴの最上流です。その後、さまざまな段階を経て最終的に作品のパッケージまで落とし込む段階まで、それぞれのプロがいる。その全体を効率的にまとめることが産業として重要なわけで、日本には圧倒的にその人材が少ないと感じました。

アイデアを出してさまざまな人を動かそうという部分、つまりはクリエイティヴにおける起業家精神に通じるものですが、そういう部分をもった人材が出てこないと、日本のクリエイティヴシーンは先細っていくのではないかと危惧しています。そういった意味では、必ずしも作品に落とし込めなくてもアイデアさえあれば勝負できるこの部門は、いつも非常に楽しみにしています。

──CREATIVE HACK AWARDは、クリエイターと企業の「マッチング」も重視しています。世界のクリエイティヴシーンと比較して、日本に足りないものがあるとすればどういった点でしょうか?

CREATIVE HACK AWARDは最終的にグランプリを選びますが、順位をつけることより、ネットワーキングを大事にしているアワードだと思っています。そこには、産業としてきっちりやっていかないと、日本のクリエイティヴシーンはどんどん先細ってしまうのではないか、という危惧があることは間違いありません。

正直、日本はネットワーキング力が弱いと思います。そもそも人材の流動化が少ないですよね。会社が囲ってしまっている部分もありますが、ある程度フリーで動けるようなかたちがあってもいいと思うんです。確かにアニメ作品等だと委員会方式が主流ですが、資本を持っている人の集まりではなく、アイデアとマネージングができる人たちが集まれる「場所」がどんどん生まれるような状況を、どうにかして生み出せないかなと思っています。CREATIVE HACK AWARDがその「場所」が生まれるひとつのきっかけになれば、すごくいいですよね。

──そういった状況をふまえて、今年のCREATIVE HACK AWARDではどんな作品を期待しますか。

境界も制約もルールもないアワードですが、「自由だからこそ難しい」という部分はあると思います。ただCREAITVE HACK AWARDは、技術や芸術性がいちばん高い人を決める賞ではありません。自分のクリエイティヴィティをきちんとプレゼンテーションする必要性を感じてもらい、さらにはビジネス上の「出会い」を誘発する場を設けることを重視するアワードです。新しい個性や新しい才能を、クリエイティヴ業界はいつでも求めています。CREATIVE HACK AWARDに応募することで、そのきっかけを、自らの手で引き当てていただければと思います。

個人的には、基本に忠実だけれど、「おお!」って唸らされる熱量をもった作品を期待しています。迷ったときには基本に立ち返る、というのはぼく自身が肝に銘じていることでもあるので。

──今回から、海外からの応募も受け付けるようになりました。

海外からも応募を募ったことで、これからは違う文化圏の人たちとコラボレーションしていかないといけないという意識や、そういう人たちと仕事をすると、いままで以上に面白いことができるはず、という意識を、むしろ日本の人たちに感じていただければと思います。

多様性ってとても大切だと思います。実はワコムという会社って、日本国籍の社員は45%なんです。違う考えの人間が入れば入るほど、アイデアって深く豊かなものになるものだと、日々実感しています。

CREATIVE HACK AWARD 2015 審査員からのメッセージ

「ぼくは、破壊的で衝動的なパワーがある作品に一票を投じる」水口哲也(レゾネア)「まれにみる高いポテンシャルの“ガラパゴス化”を、いますぐ生かすべき」齋藤精一(ライゾマティクス)「『ハック』という言葉をハックしてしまう作品を期待します」佐々木康晴(電通)「常識をハックしなければ、成功はできない」笠島久嗣(イアリンジャパン取締役)

【応募期間延長決定!最終締切は10月7日正午】CREATIVE HACK AWARD 2015

グラフィックや動画、3Dプロダクトから企画書まで。新しい世界をつくる新しい発想を「ビジネス」に転換させるチャンスを『WIRED』が用意しました。締め切りは2015年10月7日(水)。エントリーおよび作品応募はエントリーページにて受け付けています。審査員からのメッセージなどの関連記事はこちらで読めるほか、CREATIVE HACK AWARDのFacebookページTwitterでも、最新情報をお伝えしています。

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