福岡ソフトバンクホークスの松坂大輔(34)が右肩に“禁断のメス”を入れた。右肩内視鏡手術を受けて、退院した8月26日には「でき得る限りの完璧なリハビリをして、来季マウンドに戻ってきます」とコメントを発表したが、もうその雄姿は見られなかもしれない。
 「利き腕の肩を手術して、カムバックした投手は本当に少ない。日本ではそのまま引退した投手のほうが圧倒的に多い」(プロ野球解説者)

 手術に至るまでの動向を振り返ると、野球をやっているというよりも、単独でリハビリ施設に通ってばかりだった。チーム関係者によれば、「近くアメリカに渡る予定です。専門施設で来年1月か、2月上旬までそこで過ごすことになる」とのこと。チームトレーナーは同行しないという。
 「伊藤智仁(元ヤクルト)、斉藤和巳(元ソフトバンク)は右肩にメスを入れ、そのまま引退しています。河原純一(現四国独立L)は復活しましたが、速球派ではなくなってしまった」(同)

 肩を手術するというリスクは、松坂も分かっていたはずだ。「内視鏡による手術」と発表されたが、前出のチーム関係者によれば、かなり複雑な手術が施されたようだ。その内容は『右肩関節唇及び腱板クリーニング術』、『ベネット骨棘切除術』、『後方関節包解離術』で、3種類を一度に行ったという。要するに、肩関節を支える重要部位の関節唇の全てが重症だったわけだ。
 「この手術が癒えるのが半年後であり、そこからキャッチボールを再開させるわけです。投手としての技術、筋肉、スタミナや、術前との違和感が払拭されるまで最低でも一年は掛かる」(元在京球団トレーナー)

 投手に限らず、手術は『最後の賭け』と言っていい。おそらく、松坂は単身でリハビリ施設に通いながら、手術のリスクと、投球練習すらままならない現状を思いながら、迷っていたのだろう。
 「手術が癒えるまでの半年間、肩周辺の筋肉や体力を落とさないための簡単な運動も行う予定です。ですが、むしろ心配なのは、キャッチボール再開後。松坂は投球フォームを崩しており、そこからまたやり直すわけですから、来季中も一軍レベルのピッチングを取り戻すことができないのではないか」(ベテラン記者)

 今春キャンプ中にマンツーマンでフォーム矯正を指導した佐藤義則投手コーチは、「投球フォームの矯正が克服できないと、復活は難しい」の言葉を繰り返してきた。
 松坂はレッドソックス時代の2011年6月にも右肘靱帯の修復手術を受けている。翌年には復帰したが、手術前と違って、ボールに力が伝わらない。そのイライラから、さらに力ずくで投げようにより、本来の投球フォームからどんどん遠ざかっていった。今度はそれ肘の手術以上の違和感と戦わなければならないはずだ。
 アメリカから日本球界へ戻ったが、一軍登板すら果たせないままユニフォームを脱ぐ可能性も出てきた。