経験のある長谷部もいまだかつて体験したことがないというアウェー5連戦。格下が相手だが、気を引き締めて臨みたい。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

写真拡大

 長谷部の言葉から推測すると、アフガニスタンは日本にとって戦いやすい相手なのかもしれない。
 
「今までの2試合(ワールドカップ予選のシンガポール戦とカンボジア戦)と違って、ブロックを敷いてくる相手ではない。ビデオで分析したかぎりでは前にどんどん出てくるチームなので、縦パスはもちろん、敵DFの背後へのロビングなど狙いどころはかなりあるかなと思います」
 
 確かにオープンな展開になれば、敵2ライン間(DFとMF)にスペースが生まれやすく足もとのテクニックを活かしたパスワークで、アフガニスタンを翻弄できるかもしれない。
 
 ただ、その点について長谷部は警戒を強める。アザディ・スタジアム(日本対アフガニスタン戦の試合会場)のように、芝生が長いピッチには“魔物”が棲んでいるというのだ。
 
「パスサッカーになって足もとにこだわり過ぎると、こういうピッチではボールを奪われるミスが多くなる。状態が良くないピッチに適したプレーを狙っていきたい」
 
 アフガニスタンが自陣に引かずに前へ出てくる、またピッチの状態が良くない。そのふたつを考慮すると、「やはり縦に速い攻撃はチャンスになると思います」(長谷部)。
 
「自分たちのやり方としてつなぐ意識はある」長谷部も、前述のとおりそこにこだわり過ぎるのは危険だという認識は持っている。目指すべきは、予選から本大会までポゼッションにだいぶこだわった前任者ザッケローニのカラーと、縦への速さを求めるハリルホジッチ監督のそれとの融合──。
 
 本人がはっきりと口にしたわけではないが、臨機応変な戦い方がすなわちアフガニスタン攻略の鍵になるニュアンスは感じ取れた。
 
 経験豊富な長谷部だからこそ、いろんなシチュエーションへの対策も頭の中で整理できるわけだ。ただ、アフガニスタン戦から始まるアウェー5連戦(10月13日のイランとの親善試合を含む)は未知の世界だという。
 
「たぶん5連戦はこれまで経験したことがない。アジアのアウェーでの戦いはスタジアムの雰囲気や環境などで、どうしても自分たちの力を発揮できなかったりします。そういうところでチームを落ち着かせるのは経験のある僕たちの役目。伝えていけるところは若手に伝えていくのが大事です。アウェーで簡単な試合はないから、コンディションの準備もそうですが、気持ちの準備も大切です」
 
 怒涛のアウェー5連戦。チームが浮き足立った時、長谷部はどんなキャプテンシーを発揮するのか。まずはアフガニスタン戦での“チームマネジメント”に注目したい。
 
取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)